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電波天文学入門

でんぱ天文学のひみつ

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電波望遠鏡の仕組み

電波望遠鏡の仕組みは、大雑把にいえば家庭用の衛星放送と同じです。衛星からの電波を集めるパラボラアンテナ、電波を電気信号に変える受信機、そして電気信号を分析し映像に変えるチューナー。電波望遠鏡にもそれぞれ同じような役割をする装置があります。ただし、宇宙からの電波は衛星放送の電波に比べて非常に弱いこと。このために装置の規模や必要になる精度が衛星放送と電波望遠鏡ではまったく違ってきます。

パラボラアンテナ - 電波を集めるパラボラアンテナ

電波望遠鏡で一番目立つのはなんといっても、このパラボラアンテナでしょう。野辺山宇宙電波観測所の45m望遠鏡はミリ波望遠鏡としては世界最大です。これほどサイズが大きいのは星からの微弱な電波を効率よく集めるためです。このパラボラの面は正面からやって来た電波を中心の副鏡に集める「放物曲面」という形になっています。

高い精度のパラボラ面を作る - 歪みを補正する

パラボラの曲面は、観測する波長の1/20を保たなければなりません。つまりミリ波ならば約0.1mm、これは新聞紙1枚分の厚さに相当します。45m望遠鏡の巨大なパラボラアンテナは、傾けたり動かしたりするだけでも変形します。また、風や温度差でもわずかに形が変わります。その変形を最小限に抑え、またその歪みを精密に計測して、微調整を行うことでこの高い精度を保っています。

ホモロガス変形法

パラボラアンテナの骨組みをあらかじめ変形が予想しやすいような形に作っておいて、アンテナの動きに応じて、リアルタイムで歪みを計算し、電波を受ける副鏡の位置や望遠鏡を向ける方向を調整する方法です。野辺山の45m望遠鏡はミリ波の望遠鏡としては世界で初めてこの方法を採用しました。

熱対策

熱による変形を最小限に抑える為に、建設当時としては世界で初めて断熱材でアンテナ全体を覆い、内部の空気を循環させるという方法を採用しています。また、アンテナ面に反射塗料を塗った高精度のカーボンファイバーパネルを使用しました。これも建設当時は世界で初めての技術でした。

レーザー測定

ホモロガス変形法や熱対策で得られた精度をさらに高める為に、レーザーを使って歪みを計測して、パネルそのものをモーターで変形させることで歪みを補正するシステムが使われています。パラボラ面を作るカーボンファイバーパネルはパラボラ全体が700個あるモーターの上に乗っていて、レーザーによる測定結果に応じて曲面を微調整することで精度を高めているのです。

目標の天体を精度よく追いかける

野辺山の45m電波望遠鏡は誤差2秒角という非常に高い精度で望遠鏡を目標の天体に向けることができます。2秒角というのは1度の1/1800。こんなに巨大なものをこれほど高い精度で動かすのは簡単なことではありません。実は45m望遠鏡の中心部分には、電波望遠鏡本体とは独立した基礎に立てられた高さ20mのタワーが立っていて、その上にマスターコリメーターと呼ばれる小型の望遠鏡が設置されています。このマスターコリメーターを精密に目標の天体に向けることで、これを基準に電波望遠鏡本体の向きを決めているのです。

電波を受ける - 受信機

星からやって来た電波は、パラボラアンテナによって集められ、受信機に入ります。受信機は受け取った電波を扱いやすい周波数に変換し、増幅し、そして電気信号に変える役割をします。野辺山の宇宙電波観測所では、マルチビーム受信機と呼ばれる天球上の複数の場所を同時に観測できる受信機を使い大幅な効率化を図っています。

電波を調べる-分光器 - 観測画像を使用する

星からやって来る電波を細かく調べることで、その星やその星の周囲にどんな物質があるのか、あるいはその星がどんな動きをしているのかなどを調べることができます。その電波を調べるための装置が分光器。分光器は受信した電波を周波数ごとにさらに細かく分けることで電波を分析します。

ノイズを減らす

星からやって来る電波は非常に弱く、観測機器やデータを伝えるケーブルなどが発生するノイズが観測の性能に大きな影響を与えます。こうしたノイズを低減するために電波望遠鏡の観測機器には様々な工夫が凝らされています。たとえば、電波を受信する受信機はマイナス270度という極低温に冷やされ、ノイズを極力出さないような設計になっています。

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