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[第二報]Season 2016-2017 観測のキャンセルと次シーズンへの持ち越しについて

2017年3月30日のアナウンスのとおり、マスターコリメータ駆動システムの不具合により、野辺山45m電波望遠鏡による観測は一時中止となっています。 その後、観測所及び製造メーカーの調査により、ギアボックス内の多数の歯車に破損、ベアリングには固着が見られ、これらの修復には4ヶ月以上の期間が必要ということが判明しました。

このため観測所では、マスターコリメータを使用しない状態での指向・追尾精度の調査・確認を行い、peak-to-peak で20秒角程度であることを確認しました。 これは、86 GHz 帯のビームサイズ(20秒角)と同程度にあたります。 この結果、高周波での観測については中止し、低周波での観測は実行可能であると判断しました。

これらの状況から、今シーズン残りの観測のうち、T70, TZ, FOREST 受信機での観測(高周波)については中止とし、希望するものについては来シーズンへ持ち越して観測時間を割り当てることとしました。 また、H22, H40, Z45 受信機での観測(低周波)については、希望するものについては今シーズン中に観測時間を割り当てることとしました。 ただし、PIの希望に基づいて、来シーズンへ持ち越して観測時間を割り当てることも可能としています。

なお、来シーズンにおける持ち越し観測の割り当て時期は、2017年11月-2018年3月を予定しています。

2017年4月17日

野辺山宇宙電波観測所
所長事務取扱
小林秀行

[第一報]マスターコリメータ駆動システムの不具合による観測の一時中止

野辺山45m電波望遠鏡では、110GHzでの観測で3秒角程度以上の高い指向精度・天体追尾精度が必要とされるため、マスターコリメータという機器を用いる方式を導入しています。 このマスターコリメータの方位角駆動ギアボックスに問題が生じ、十分な天体追尾精度を達成できなくなったため、現在、全ての科学観測を一時中止しています。

観測の再開時期については、現時点では未定ですが、目途が分かり次第あらためてアナウンスする予定です。

  1. 発生の経緯
  2. 3月4日頃から、主鏡がマスターコリメータに追随して追尾する通常の状態でエラーが発生し始めました。 観測者の操作により、すぐに通常の追尾に戻る状態でしたが、3月10日頃から再発するようになったため、グリスアップ等の対処をしつつ、状況をモニタしていました。 同時に製造メーカーへの状況説明を行い、現地調査の調整を開始しました。

    その後、発生頻度がさらに高くなり、エラー発生の度に観測者の操作によって復帰させて、観測を継続していましたが、3月17日 04時20分時点で、復帰が不可能となりました。

  3. 対応状況
  4. 17日以降、製造メーカーに故障原因の本格検討を依頼するとともに、観測所員による原因の調査・対応を進めました。 これを踏まえて、3月27 - 28日に製造メーカーによる調査を行いました。 その結果、方位角駆動のギアボックスに問題があること、これを取り外して工場に持ち帰って分解検査の必要があることが判明しました。 (最低数週間の期間が必要)

    この状況を受けて、3月29日に、今後観測予定のある全研究者に、科学観測を停止することをメールで通知しています。

    また、現在、45m鏡による科学観測は、一時中止していますが、観測所では、マスターコリメータを使用しない、追尾精度の低い状態での観測の可能性について、検討・試験を進めています。

  5. 今後について
  6. 観測の再開時期については、製造メーカーによる原因究明が必要なため、現時点では未定ですが、目途が分かり次第あらためてアナウンスする予定です。

	※ マスターコリメータ:電波望遠鏡の中心に独立した基礎から立ち上げたタワーを設け、高精度の小型望遠鏡を搭載しているもの。
	この望遠鏡をコンピューター駆動し、光ビームでリンクすることで主鏡を追随させることで、45m鏡の追尾誤差は、1万分の1.4度となっている。

2017年3月30日

野辺山宇宙電波観測所
所長事務取扱
小林秀行