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Last Update: 27th January 2017

受信機チューニング

観測したい周波数で性能が最適化されるよう、受信機をチューニングします。 一般的には、受信機チューニングは観測の初めに一度行う必要があります (もし同じ周波数で同じ日に別の周波数設定で観測を行う場合には、設定を変えるたびに受信機をチューニングします)。 受信機によりチューニングの仕方が異なるため、本ページでは受信機ごとに分けて方法を解説します。 以下の手順に進む前に、ミラーの向きの切り替えを参考にミラーを切り替え、使いたい受信機に信号が入る状態にしておいてください。 なお、連続波観測の場合は、これ以外にも望遠鏡内部での調整が必要となりますので、デバイステーブルを印刷の上、 アシスタントにお渡しください。

T70、TZ受信機

T70, TZ受信機は同じチューニングモニター(下図7)上のプログラムを使ってチューニングを行います。

チューニングマシンは遠隔で望遠鏡内部のマシンとリモートデスクトップ通信をしています。 通常、リモートデスクトップ接続済みになっているはずですが、そのようになっているか確認します。 もし、接続が切れている場合には、画面左下の"スタート"メニューからリモートデスクトップを選択し、接続を行います。 アカウント名等は記憶されているはずですが、もしされていなかった場合はアシスタントにお尋ねください。

各受信機はEL=70度でチューニングすることを前提に調整されています。 アンテナコンソールの"TUNING"ボタンを押すとAz方向のみ天体を追尾しつつ、ELは70度で固定できます。 観測に移るときに"ALL PROG"、"SLAVE"ボタンを押して観測モードに戻すことを忘れないようにしてください。

各チューニング用プログラムは起動しただけでは動作しません。 下図に示すように、プログラム上部の矢印ボタンを押して動作させる必要があります。

2SB受信機であるT70、TZでは、チューニングを行うとともに、サイドバンド比(Image Rejection Ratio: IRR)を測っておくことで、 のちのデータリダクション時にシステム変動を補正して主ビーム温度(TMB)へ変換させることができるようになります。 特に標準天体でも目的の輝線強度が弱い(TA*< 数K程度)ことが想定され、 標準天体観測が難しい場合は、必ず測定するようにしてください。

T70用、TZ用チューニングプログラムはほぼ同じ構造をしています。 ここではTZの場合を例に紹介しますが、T70の場合も同じ手順でチューニングできます。

  1. プログラムの起動
  2. プログラムはT70用が

    T70tune**.vi
    TZ用が
    TZtune**.vi
    です。 通常、これらのプログラムは立ち上がっている状態です。 立ち上がっていなければ、デスクトップ上のショートカットをダブルクリックして起動します。 また、T70とTZ用のプログラムは同時に動作させることができません。 使いたい受信機用プログラム以外のプログラム実行中の場合(起動しているだけであればOK)は、そちらを停止させ、それからチューニングを行います。 停止する際はプログラムの左下の"STOP"ボタンをクリックします。

  3. プログラムの実行
  4. チューニングソフト左上にある矢印ボタンを押すと実行状態に移行します。

  5. チューニング
  6. IRRの測定
  7. 観測モードに切り替え
  8. 再び上部の"Tuning"タブボタンを押してタブを切り替え、中央左側にある"Observation mode"ボタンを押します。 以上で、チューニングとIRR測定が終わり、観測ができるようになりました。

IRR測定した結果のテキストデータを忘れずにファイルをUSBメモリなどにコピーしておきます。 USBメモリは事前にウィルスチェックをしておいてください。 ファイルはローカルのデスクトップ(リモートデスクトップではありません)に "受信機名IRRdata"というディレクトリショートカットがありますのでそこからコピーしてください。

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H22、H40、Z45受信機

H22、H40、Z45受信機を使った観測を行う場合は、ミラーを切り替えて受信機に信号が入るようにした後は、 COSMOS GUIで観測スクリプトを選んで、START OBSERVATIONを押して、観測を開始します。 (2015年観測シーズンまではH22、H40受信機はチューニングやシンセサイザーの切り替えなどが必要でしたが、 2016年観測シーズンからはこれらの作業は要らなくなりました。)

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FOREST

FOREST用モニター群はCOSMOSモニターとクイックルックモニターの後ろ側にあります(下図6)。


左:FOREST用モニター左側。左はサーバ通信用(観測者は特に使用することはありません)、右はwebモニターでFORESTを上部から映しています。
右:FOREST用モニター右側。左はFORESTステータスモニター、右はチューニング用ターミナルです。

FORESTのチューニングは、FOREST用モニター群右端のリモートデスクトップに表示されているターミナルを用いて行います(下図)。 FORESTを使った観測では同じ手順を通るため、キーボード上矢印キーからコマンド履歴を利用すると、早く、楽にチューニングすることができます。

  1. 受信機の初期化
  2. まず、受信機を初期化するため、ターミナルに以下のコマンドを入力します。

    > forest_initialize.py

  3. 受信機のチューニング
  4. チューニングは、事前に観測所が測定し決定した最適パラメータを呼び出すことで行います。 以下のコマンドでチューニングを実施します。

    > forest_SIS_tune.py tuning/loXXG-UL_step3_yyyymmdda.cnf
    ここで、XXにはLO周波数、ULは、観測するサイドバンド(Upper Sideband[USB], Lower Sideband[LSB] or USB/LSB)、 yyyymmddaは観測所側でパラメータを決定した日時が入ります。 LO周波数には、デバイステーブルで指定した値に最も近い周波数のものを選んでください。

    2016-2017年観測シーズンのチューニングパラメータとして、以下のものを用意しています。 (観測シーズン中に受信機の性能変化のためにパラメータファイル名が変わる可能性があります。)

    LO周波数 [GHz] サイドバンド パラメータファイル名
    85 USB/LSB
    lo85G_UL_step3_20161130l.cnf
    86 USB/LSB
    lo86G_UL_step3_20161130l.cnf
    90 USB/LSB
    lo90G_UL_step3_20161104a.cnf
    92 USB
    lo92G_U_step3_20161104a.cnf
    LSB
    lo92G_L_step3_20161104a.cnf
    USB/LSB
    lo92G_UL_step3_20161104a.cnf
    94 LSB
    lo94G_L_step3_20161128a.cnf
    USB/LSB
    lo94G_UL_step3_20161128f.cnf
    101 USB/LSB
    lo101G_UL_step3_20161122w.cnf
    104 USB/LSB
    lo104G_UL_step3_20161122e.cnf
    105 USB
    lo105G_U_step3_20170224a.cnf
    USB/LSB
    lo105G_UL_step3_20161130b.cnf
    109 USB/LSB
    lo109G_UL_step3_20161129k.cnf
  5. システム雑音温度とサイドバンド分離比の測定
  6. チューニング後、FORESTの性能を確認するため、 システム雑音温度(Tsys)とサイドバンド分離比(Image Rejection Ratio: IRR)を各IF周波数ごとに測定します。 まず、アンテナコンソールからTuningボタンを押し、ELを70度にします。 この後、以下のように測定コマンドを実行します。

    > exp_irr_with_IF_freq_sweep.py --lo_freq 105 --start 4 --stop 12 --step 1
    lo_freqはチューニングパラメータで指定したLO周波数、start, stopは測定を開始、終了するIF周波数[GHz]で、 USB-Lが4-8GHz, USB-Hが7-11GHz, LSBが4-8GHzの帯域を持っています。 stepはstart-stop間でTsys、IRRを測定する間隔[GHz]です。 これらの値は観測周波数や輝線の数で調整します。 所要時間は測定点数によって変わりますが、IF=4-12GHzを1GHz間隔で取得して概ね1分ほどです。 上記の例では、LO105GHzでIF=4-12GHzを1GHz間隔で測定することになります。

    測定が終了すると、ターミナルに数値で、FORESTモニター右下にプロットで結果が表示されます。 このモニターのプロットをクリックすると、拡大してみることができ(下図)、 プロットの下の文字列(~.zip)をクリックすれば、データを持ち帰ることも可能です。

    TsysとIRR測定結果の例。 Tsysが青(右軸)、IRRが黒(左軸)で示されています。 また、ビーム、偏波、サイドバンドの関係は以下の図の通りです。 USB-HとUSB-Lで観測する際はUSBをUSB-H、LSBをUSB-Lと読み替えてください。

  7. 観測開始
  8. これで、FORESTのチューニングは終了です。 以下のコマンドを実行して、観測中に誤動作を起こさないようにします。

    > forest_start_observation.py

  9. 観測終了
  10. 観測が終了したら、以下のコマンドでFORESTチューニングマシンへの入力待機状態に戻します。

    > forest_end_observation.py

    最後に、FOREST自体も待機状態にして観測を終了します。

    > forest_finalize.py


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