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モンスター銀河を探せ
宇宙に最も近い場所 - 南米アンデス山脈

世界最高の観測条件が得られる場所はどこか。日本の観測地調査隊が探し当てた場所、それが南米アンデス山脈のアタカマ高地(標高4800メートル)でした。アタカマ高地はチリの西岸を流れるフンボルト海流の影響できわめて高い晴天率を誇ります。さらに、その標高は富士山より1000メートル以上、ハワイ・マウナケア山頂よりも600メートルも高く、気圧は平地の半分と非常に空気の薄い環境が整っています。したがってサブミリ波で宇宙を見通しモンスター銀河を探査するには絶好の場所なのです。
サブミリ波電波望遠鏡「アステ」と新型カメラ「アステック」
国立天文台、東京大学他大学連合が南米チリ・アンデス山脈のアタカマ高地 (標高4800メートル) で運用しているアステ望遠鏡は、口径10mのアンテナをもつサブミリ波望遠鏡です。野辺山宇宙電波観測所が30年来培ってきた高い技術力と極めて水蒸気量の少ないアタカマ高地のユニークな特長を活かし、世界最高性能のサブミリ波検出技術と組み合わせることで、モンスター銀河に対する高い探査能力を実現することのできる装置です。
  
モンスター銀河のゆりかご最有力候補:原始銀河団領域SSA22
モンスター銀河の誕生が促進されている領域はどこか。そのターゲットとして原始銀河団領域SSA22が選ばれました。SSA22領域はみずがめ座の方向に位置する空の一部で、これまでのすばる望遠鏡等の観測によって115億光年彼方(宇宙年齢が現在の15%程度の時代)にライマンアルファ輝線銀河と呼ばれる若く小さい銀河が密集し、原始銀河団と呼ばれる大規模構造を形成していることがわかっていました[1-3]。その広がりはおよそ数十分角四方(満月およそひとつ分)におよびます。しかし、これまでのサブミリ波観測ではその1割に満たない領域しか観測できず[4-6]、まさに針の穴から天上をのぞくことしかできていませんでした。
[1] Steidel et al. 1998, Astrophys. J., 492, 428
[2] Hayashino et al. 2004, Asron. J., 128, 2073
[3] Matsuda et al. 2005, Asrophys. J., 634, L125
[4] Chapman et al. 2003, Asrophys. J., 622, 772
[5] Blain et al. 2004, Asrophys. J., 611, 725
[6] Scott et al. 2006, MNRAS, 370, 1057
図1:研究チームが観測したSSA22原始銀河団の位置。みずがめ座のある方向の満月ほどの大きさの領域(0.5度四方)、115億光年(宇宙年齢が現在の15%程度の時代)にライマンアルファ輝線銀河が密集していることがわかっています。(© 2009 国立天文台, 右画像:Digital Sky Surveyより抜粋。)
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