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研究の背景
生まれたての巨大銀河は暗黒物質の分布の道しるべ?
現在の銀河形成理論[1,2]によれば、約100億年前の宇宙で質量が次々に集積しているような場所、たとえば成長を続ける宇宙大規模構造のごく中心部で、巨大銀河が誕生すると考えられています。したがって、宇宙で最も大きい質量を持つ銀河種族と宇宙大規模構造の関係を理解することは、現代の宇宙物理学の最重要課題のひとつです。
[1] Mo & white 1996, MNRAS, 282, 347
[2] Cole et al. 2000, MNRAS, 319, 168
モンスター銀河 - 暗黒巨大銀河

このような物質が集積する箇所では、重力場にとらえられた銀河や大量のガスが互いに衝突・合体することで「モンスター銀河」が誕生すると考えられています。モンスター銀河は、恒星の材料(ガスや)に深く埋もれた爆発的な星形成活動[3]を通して成長し、やがて非常に重い巨大銀河へと進化する、たいへん珍しい銀河種族であると考えられています。このため、厚くまとったガスやが星の紫外線や可視光線を吸収・遮断し、通常の手段では発見することがきわめてむずかしくなります。一方で、紫外線に暖められたダストが、今度はより長い波長「サブミリ波」で莫大なエネルギーを放出するため[4]、モンスター銀河はサブミリ波できわめて明るく輝くことが1990年代前半に指摘されていました。そして、1990年代後半になって開発されたサブミリ波のカメラが実際にサブミリ波で明るく輝く銀河種族を発見したのでした[4-6]

[3] 私たちの天の川銀河の1000倍に迫るという凄まじい勢いで星を形成すると考えられています。
[4] ちょうど自動車のラジエーターと同様の働きをします。
[5] Smail et al. 1997, Astrophys. J., 490, L5
[6] Hughes et al. 1998, Nature, 394, 241
[7] Barger et al. 1998, Nature, 394, 248
モンスター銀河は宇宙の過密地帯に生まれるのか?
このような特殊な特徴を示すモンスター銀河とはいったい何者なのか?1997-98年のモンスター銀河の発見以来、天文学者たちはこの謎に満ちた銀河を徹底的に調べてきました。この結果、およそ100億年ほど過去の宇宙において塵に覆われた爆発的星形成を行う巨大質量銀河であることが観測的に確実視されるようになりました[8]。さらに、遠方宇宙のある特殊な環境でモンスター銀河の密度超過があるのではないかという観測結果も報告されるようになりました[9]。しかし、サブミリ波帯は地球の大気にはばまれやすく、また検出技術や観測手法も発展途上であったため、モンスター銀河が宇宙の過密地帯に好んで誕生するのか、依然として謎に包まれたままでした。
[8] Brain et al. 2002, Physcs Reports, 369, 111
[9] Stevens et al. 2003, Nature, 425, 264
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