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SSA22原始銀河団に群れ集まるモンスター銀河を発見!
そこで観測チームは、アステ望遠鏡を用いて0.1平方度を超える広域画像を取得しました。実に過去に得られた観測面積の20倍もの広さに達します。この結果、30個のモンスター銀河を発見し、興味深いことにそれらがある特定の方向に群れ集まっている様子を捉えることに成功しました。じつはその方向はライマンアルファ輝線銀河の過密地帯が存在する場所でした。モンスター銀河はライマンアルファ輝線銀河とまったく異なる性質を示しているのにも関わらず、両者の分布が類似している(相関している)ことがわかったのです。
図1:左図は本研究チームがサブミリ波望遠鏡「アステ」と新型カメラ「アステック」で撮像したSSA22原始銀河団領域。視野は差し渡し0.4度に相当し、およそ満月ひとつ分に相当します。色が明るいほど、サブミリ波の放射強度が強いことを示しており、いちどに30個もの爆発的星形成銀河を検出することに成功しました(丸印)。右図は、SSA22原始銀河団中心領域の拡大画像で、サブミリ波画像(赤)と赤外線画像(緑)、およびハッブル宇宙望遠鏡による可視光画像(青)を示しています。アステ望遠鏡は視力こそハッブル宇宙望遠鏡にかないませんが、可視光線では捉えることの難しいモンスター銀河を克明に描き出しています。画像では4つのモンスター銀河が見えています(矢印)。(© 2009 国立天文台)
図2:左図はアステにより発見されたモンスター銀河(爆発的星形成銀河)の数密度分布。白い枠はアステ望遠鏡で撮像した視野で、およそ満月ひとつ分の大きさです。白丸は爆発的星形成銀河の位置を示しており、その大きさはサブミリ波の明るさを表しています。右図は同じ視野における115億光年彼方のライマンアルファ輝線銀河の数密度分布で、白点は銀河の位置を示しています。青く塗った部分はライマンアルファ輝線銀河の個数が多いことが知られており、暗黒物質が集中している場所であると考えられています。特に物質が集中していると見られる視野の中央やや右上の箇所で、やはり爆発的星形成銀河が多く誕生していることがわかります。(© 2009 国立天文台)
図3:爆発的星形成銀河とライマンアルファ輝線銀河のあいだの「相互相関関数」。2つの銀河種族が似た分布をしている場合のみ、相互相関関数は正の値を示します。相互相関関数が8分角以下で正の値を取っていることから、8分角(およそ5000万光年)の範囲内で爆発的星形成銀河とライマンアルファ輝線銀河が寄り添って誕生していることがわかりました。なお1分角は、1度の60分の1。(© 2009 国立天文台)
宇宙大規模構造という銀河たちの"ゆりかご"
銀河の密度が高いと言うことは、暗黒物質の密度も高いことを意味しています。そして、現代の銀河形成理論では、暗黒物質の密度が高いところで非常に重い巨大銀河が誕生することを予想しています。本研究の結果は、天文学者たちが描く銀河形成の理論予想に一致していることになります。
研究チームでは他の天域に対しても過去に例を見ないほど大規模な観測を同様に行っています。今後は、爆発的星形成を行うこれらモンスター銀河が普遍的に銀河の過密地帯に分布しているのか、どのくらい昔からモンスター銀河が誕生しており、どのようにして現在の大質量銀河へと進化するのか明らかにしたいと考えています。
図4:群れ集まるモンスター銀河のイメージ図。背景に広がる雲状の物質が大規模シミュレーションによって得られた実際の暗黒物質の分布です。暗黒物質の多い場所に銀河(白い点)が形成し、特に過密な場所で選択的に怪物銀河が生じる様子を描いています。右上はモンスター銀河のより詳細な想像図。作成:石川直美、武田隆顕(国立天文台)(© 2009 国立天文台)
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