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モンスター銀河を探せ
モンスター銀河の集団

モンスター銀河の誕生が促進されている領域はどこか。そのターゲットとして原始銀河団領域SSA22が選ばれました。SSA22領域はみずがめ座の方向に位置する空の一部で、これまでのすばる望遠鏡等の観測によって115億光年彼方(宇宙年齢が現在の15%程度の時代)に若く小さい銀河が密集し、原始銀河団を形成していることがわかっていました。その広がりはおよそ数十分角四方(満月およそひとつ分)におよびます。

研究チームは、アステ望遠鏡に搭載されたアステック (AzTEC) カメラを用いてモンスター銀河の探査を行いました。国立天文台、東京大学他大学連合が南米チリ・アンデス山脈のアタカマ高地 (標高4800メートル) で運用しているアステ望遠鏡は、口径10mのアンテナをもつサブミリ波望遠鏡で、モンスター銀河に対する高い探査能力を実現することのできる装置です。この結果、モンスター銀河が群れ集まっているようすを捉えることに成功しました。(2009年に英国科学雑誌『ネイチャー』に掲載。過去の国立天文台記者発表「115億光年彼方に爆発的星形成銀河の集団を発見」もあわせてご覧ください。)

  
特異銀河 SSA22-AzTEC1 の正体は?

研究チームは、これらのモンスター銀河のなかで、サブミリ波でもっとも明るいものが、原始銀河団の中心にいることに気づきました。そのサブミリ波のエネルギー量から推定される星形成活動の度合いは、天の川銀河の1000倍を超える猛烈さで、1年間に太陽4000個分の質量のガスが恒星に変換されている、きわめて特異なモンスター銀河であることがわかりました。そこで、この天体を SSA22-AzTEC1 と名付け、アステ望遠鏡はもちろんのこと、米国サブミリ波干渉計 SMA、すばる望遠鏡、米国超大型干渉計 VLA、スピッツァー赤外線宇宙望遠鏡、ハッブル宇宙望遠鏡、チャンドラX線望遠鏡など、世界中の望遠鏡による観測データを用いて研究を行いました。

望遠鏡の分解能(わずかに離れた2つのものを見分ける能力)は、(観測波長)÷(望遠鏡の口径) に比例します。したがって、可視光に比べて波長が1000倍も長いサブミリ波では、常に分解能が足りないという問題がつきまといます。これは、サブミリ波望遠鏡で発見されたSSA22-AzTEC1の正確な位置を決定するのが難しいということを意味します。そこで研究チームは、米国のサブミリ波干渉計 SMA を用いてSSA22-AzTEC1の正確な位置の測定を行うことにしました。

図1:研究チームが観測したSSA22-AzTEC1の位置 (右拡大図中の四角)。みずがめ座のある方向の満月ほどの大きさの領域(0.5度四方)、115億光年 (宇宙年齢が現在の15%程度の時代) に原始銀河団が存在することがわかっています。(© 2010 国立天文台, 右画像:Digital Sky Surveyより抜粋。)
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