高いクオリティーのイメージ画像の取得に成功!!

研究チームは、野辺山45m望遠鏡とアステ望遠鏡を用いて、一酸化炭素分子とダスト(塵)の高い空間分解能による広域のイメージ画像を得る事に成功しました。 一酸化炭素分子のイメージ画像を解析することで、宇宙空間にあるガスの分布や速度構造を調べることが出来ます。 また、ダストのイメージ画像を解析をすることで、分子雲コア(星を生むもととなる密度の高いガスの塊)の分布を調べる事が出来ます。 10年ほど前までは、これらのイメージ画像と同等の質のイメージ画像を得るためには、数百時間の観測時間が必要でしたが、受信機や観測手法の進歩により、数十時間で取得することが出来ました。

(左図)アステ望遠鏡によって取得されたダスト(塵)のイメージ画像。このイメージ画像を 詳細に解析することで、星を作るもととなる密度の高いガスの塊(分子雲コア)の分布を調べる事が出来る。(提供)国立天文台

(右図)野辺山45m望遠鏡によって取得された一酸化炭素分子のイメージ画像。このイメージ画像を詳細に 解析することで、星を作る材料である分子ガスの分布や運動を調べることが出来る。(提供)国立天文台

オリオン座分子雲中の大質量星からの紫外線が次世代の星形成を誘発!?

研究チームは、今回取得したダスト(塵)のイメージ画像と一酸化炭素分子のイメージ画像を使って、分子雲コア(高い密度のガスの塊)の分布と分子ガスの分布および速度構造を詳細に調べました。 結果、オリオン座分子雲中にある大質量星から放出された紫外線が周辺の分子雲コア(高い密度のガスの塊)に影響を与え、分子雲コア内での星形成を誘発している可能性があることを発見しました。

野辺山45m望遠鏡によって取得された一酸化炭素分子のイメージ動画。電波の観測では、ドップラー効果により、速度ごとのガスの分布の違いを調べる事が出来る。このイメージ動画を詳細に解析することで、星を作る材料である分子ガスの分布や運動を調べることが出来る。(提供)国立天文台

今後

今回の研究では、オリオン座分子雲で誘発的星形成が起きている可能性がある領域を探査しました。今後、誘発的星形成の解明を行う上で非常に重要な結果を得ることが出来ました。しかし、まだ、大質量星の紫外線などの影響を受けることで、具体的にどのような物理プロセスで星形成が誘発されるのかといったことは明らかになっていません。 研究チームは現在、南米チリに建設中のアタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(アルマ望遠鏡)を用いて、より詳細な描像を得る事を計画しています。