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平成28年度国立天文台長賞受賞!

2017年3月7日、野辺山宇宙電波観測所・先端技術センターの職員で構成される45m電波望遠鏡性能向上チームが「45m電波望遠鏡の大幅な性能向上の実現」という業績により、国立天文台長賞<技術•開発部門>を受賞しました。台長賞とは、国立天文台で研究教育、技術・開発、又は事務において特に顕著な業績を上げたグループに贈られるものです。

図1:授賞式の様子

図2:左から藤井泰範(FOREST開発)、新関康昭(FOREST開発)、半田一幸(高精度の鏡面調整)、御子柴廣(光学系の効率化)、林正彦台長、宮澤千栄子(FOREST開発)、高橋敏一(FOREST開発)

45m電波望遠鏡は建設以来、世界をリードする望遠鏡として30年以上活躍を続けています。一方で、長い年月による性能低下や最新の望遠鏡の出現により、世界一の座を明け渡すことが多くなっていました。45m電波望遠鏡性能向上チームは平成25年から平成27年にかけて観測精度を上げる性能向上プロジェクトを遂行。その結果、2.7mm帯でのマッピング性能は観測時間にして一桁向上し世界トップに返り咲きました。この業績が評価され今回の受賞となりました。

【性能向上プロジェクトとは?】
1.パラボラ鏡面の精度を大幅にアップ!
ホログラフィーシステムによりパラボラ鏡面のごく微小な凹凸まで検出し、0.05mmの精度で調整を行いました。これにより、更に効率よく電波を集められるようになりました。
2.光学系の効率アップ
電波を受信機へ送るミラーの表面に金箔を貼って反射効率を大幅に上げ、観測効率を従来より15%高めることができました。
3.新型受信機の搭載
開発を進めてきた新型受信機FORESTが完成し、高解像度の広域観測がこれまでより格段に早くできるようになりました。

性能向上チームin野辺山
図3:左から西谷洋之(FOREST開発)、宮澤千栄子、神澤富雄(ホログラフィーシステム構築)、御子柴廣、 和田拓也(高精度の鏡面調整)、半田一幸

性能向上チームの情熱と技術力の結集により成し得た仕事が評価され、栄えある台長賞を頂くことができたのはチームにとっても大変励みとなりました。この受賞に満足することなく、今後も更なるレベルアップを果たせるよう頑張っていきます。

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