地元、南牧村との協定に調印 -平成の次に向かって発進-
[概要] 国立天文台と野辺山宇宙電波観測所のある南牧村が国立天文台の研究成果の普及・活用の促進及び 南牧村の観光・教育活動の促進のため両社が相互に協力・連携するために協定を締結し、2019年3月27日に調印式を行いました。
南牧村ってどんなところ? 野辺山宇宙電波観測所がある南牧村は、高原野菜と観光の村として有名ですが、実は村内に天文台を始め、 信州大学や筑波大学などの研究施設がある学術と教育の場でもあるんです。夏には林間学校や高地トレーニングのための合宿、 大学の研究会などで、大勢の学生さんが訪れます。
協定書はどんなもの? 野辺山観測所ではこれまでも、村内の小学校と協力して観測所のパンフレットを制作したり、 星空関係のイベントや観測所の特別公開などで協力してきました。この関係を今後も確かなものとするため、 南牧村と国立天文台は相互協力を約束する協定書を取り交わすことになり、平成31年3月27日、 南牧村役場で常田佐久(つねた さく)国立天文台長と大村公之助(おおむら たかのすけ)南牧村長により調印されました。 これにより、南牧村単独や野辺山観測所単独ではなかなかできなかった様々な教育、観光のプログラムを提供することができるようになります。
どんなことができるの? くわしい内容はこれから召集される「運営協議会」で検討し決定されますが、例えば、次のようなことができるようになると期待されています。 ・地元以外の教育機関へのガイド これまで近隣の教育機関のみを対象に行っていた観測所のガイドを地元以外の教育機関へも拡げます。 ・野辺山観測所にちなんだグッズの販売 見学者の方から特に要望の多いグッズ販売。研究機関である天文台だけでは実現が難しい事業です。 ・一般見学ツアーへのガイド 観光客へのサービス向上、そして観測所をよりよく知ってもらえる機会になります。 ・映像作品の撮影受け入れ 南牧村と野辺山観測所、双方のイメージアップとなるような撮影を受入れ、地域振興に役立てます。
次の時代に向けて 野辺山宇宙電波観測所は昭和の終わりから平成の時代に多数の世界的な研究成果をあげてきました。 この間、科学技術は目覚ましい発展を遂げ、世界中に新しい電波望遠鏡が建設されました。競争相手が増える中、 これからも現役で活躍を続けるため、野辺山観測所は自身の得意な観測手法に特化したオンリーワンの施設へ転換してゆくことが求められています。 また、30年以上の歴史を有する研究施設の責務として、これまでに蓄積された技術や知見を広く社会へ還元していかなければ なりません。南牧村との協定は、これから始まる新しい時代へ向かう野辺山観測所への心強いサポートになると期待されています。
