海部宣男 国立天文台名誉教授のご逝去に関して
野辺山宇宙電波観測所の設立において中心的役割を果たされました海部宣男 国立天文台名誉教授が、2019年4月13日にご逝去されました。海部先生は、日本の基礎科学の大きなマイルストーンである野辺山45m電波望遠鏡の建設を主導され、その実現により日本の電波天文学を世界の第一線にもってこられました。野辺山建設の後、「すばる望遠鏡」の建設とマネジメント、そしてさらには人類最強の国際協力による電波望遠鏡「アルマ望遠鏡」の実現において重要な役割を果たされました。国立天文台長を務め、その後、世界中の天文研究者の団体「国際天文学連合」の会長をつとめられました。ミリ波天文学の開拓に関し仁科記念賞を、星間物質の研究に関し日本学士院賞を受賞されました。野辺山宇宙電波観測所では1982年の開所より一般公開を実施し、当時日本では珍しかった開かれた研究施設を実現されました。
海部先生のご逝去を心から悼み、謹んでご冥福をお祈りいたします。
野辺山宇宙電波観測所長 立松健一