PASJ特集号「野辺山45m電波望遠鏡:レガシープロジェクトとFOREST受信機」の刊行
野辺山45m電波望遠鏡は、1982年の観測開始から現在まで、第一線の観測研究に利用され続けています。 そのために、望遠鏡として本来の性能を維持するだけでなく、最新の受信機を搭載することによって、 それまでにない観測効率や観測性能を提供し続けてきました。 2015年4月からレガシー観測で、2016年1月から共同利用観測での提供を開始したFORESTは、 45m電波望遠鏡の新しい100GHz帯のマルチビーム受信機です。複数輝線の同時観測、かつ、 広い範囲のマッピング観測に適しており、従来のマッピング観測に比べて数倍以上の観測効率を誇ります。 このFORESTを使った、2014-2017期のレガシー観測である「Star Formation プロジェクト」、「COMINGプロジェクト」、 そして「FUGINプロジェクト」の3つの観測プロジェクトを中心とした観測結果が21本の論文としてまとめられ、 日本天文学会欧文研究報告の特集号として発刊されました。これらの研究成果や観測データは次世代の研究の土台となることを目的としています。 アルマ望遠鏡をはじめとする電波望遠鏡を用いる観測のみならず、赤外線やその他の波長にも有効に活用されることが期待されます。
参考ページ 銀河の「電波指紋認証」の試み 〜銀河系近くにある3つの銀河における分子のカタログが完成!〜 星の生産工場はとても希少 2014-2017期野辺山観測所レガシープロジェクトのデータがリリースされました FUGINプロジェクト:見えない天の川の大規模探査〜天の川の最も詳しい電波地図づくり〜