「野辺山宇宙電波観測所40周年記念式典」を開催
2022年3月にて、1982年3月1日に行われた東京天文台野辺山宇宙電波観測所(当時)の開所式からちょうど40周年を迎えることとなります。この40周年にあわせ、先日の2月8日(火)に国立天文台野辺山宇宙電波観測所40周年記念式典をオンラインにて挙行しました。
所内にて40周年記念実行委員会を昨年10月に組織し、八ヶ岳グレイスホテルを会場として開催することとして準備を進めてきました。ところが、式典開催案内を送付し出欠確認を行っていた矢先、今年になってからの新型コロナウィルスの爆発的な感染拡大とそれに伴う長野県の「まん延防止等重点措置」の発出が確実となった1月下旬に、オンライン開催へ変更することになりました。準備当初から無観客オンライン開催などを想定し、新型コロナウィルスの感染拡大状況に備える配慮をしていたのですが、結局は、立松所長も自宅から参加するほどの完全オンラインでの開催を余儀なくされました。それ以降、開催方法変更の案内を招待者全員にお知らせするとともに、地元自治体関係者や関係業者などのスピーチや感謝状を送付する方々には、直前にも関わらずいろいろとお願いをすることとなりました。完全オンラインということで出欠確認を行わないままの開催でしたが、これまで観測所を様々な形で支援してくださった関係者、そして観測所のOB/OGの方々など、およそ120名の方々のご参加をいただきました。
式典の冒頭では、常田佐久国立天文台長が式辞を述べました。野辺山宇宙電波観測所の40年の歴史を紐解きながら、「今日の日本の天文学の発展の礎、全ての始まりと言っても過言ではない」と述べ、「40年の優れた成果は観測所に関わるたくさんの人々の絶え間ない努力の賜物」として、多くの観測所関係者のご支援に感謝の意を表しました。
続いて、ご来賓である高橋功長野県佐久地域振興局長、大村公之助南牧村長の両氏よりご祝辞を賜りました。その後、立松所長より「観測所の現状と将来」と題して、最近の研究成果と今後の展望などについて報告がありました。そして、「野辺山の思い出と期待」と題して、元所長である石黒正人氏と稲谷順司氏、元三菱電機株式会社の塚田憲三氏、富士通株式会社の太田浩行氏からスピーチをいただき、さらに観測所OBである、中国・紫金山天文台の史生才氏からビデオメッセージを頂きました。それぞれの方から思い出とともに将来についての展望などについて熱く語ってくださいました。それぞれの方々の観測所への想いが伝わる内容でした。
その後、観測所の建設から今日まで絶え間なく支援を頂いている、三菱電機株式会社、富士通株式会社、住友重機械工業株式会社、日本通信機株式会社、エレックス工業株式会社、雄島試作研究所、そして野辺山区に対して、立松所長から感謝状が贈呈されました。代表して片桐勝則野辺山区長からお言葉を賜っています。
これらの全体会の後、観測所の年代ごとに分けた分科会を各年代の観測所長を座長として実施しました。それぞれの年代での思い出話、また近況報告などを聞くことができ、一緒の職場と時間を共有した同僚たちとの時間を楽しむことができました。
オンライン開催とはなりましたが、この40年間に観測所に携わった多くの関係者を結び、ともに観測所の40周年を祝し、そして観測所に思いをはせる貴重な時間となりました。