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ASTEを含む世界8カ所の望遠鏡を使って宇宙初期の銀河を調査

2010年02月18日

東京大学大学院の廿日出文洋氏、国立天文台野辺山の伊王野大介氏らの率いる国際研究チームは、世界8か所の望遠鏡を用いて、宇宙初期の銀河SXDF850.6の詳細な性質を明らかにすることに成功しました。ASTE望遠鏡、すばる望遠鏡、Submillimeter Array(SMA)、James Clerk Maxwell望遠鏡 (JCMT)、Very Large Array (VLA)、英国赤外線望遠鏡 (UKIRT)、セロトロロ天文台4m望遠鏡、およびスピッツァー宇宙望遠鏡のデータを用い、紫外線から電波に至る幅広い波長域でのエネルギー分布を取得しました。その結果、SXDF850.6はおよそ100億年前の宇宙に存在し、一年間に1000個以上もの星を生みだしている「モンスター銀河」であることが分かりました(*)。その一方で、年老いた星も非常に多く存在していることが分かりました。その数は太陽約2500億個分に相当します。このような宇宙初期の巨大銀河は、大銀河同士の衝突が引き金となって爆発的に星を作り、楕円銀河へ進化していくと考えられます。

*)モンスター銀河については、こちらもご覧下さい。

図:SXDF850.6の赤外線画像