野辺山ミリ波干渉計
観測装置の状況 (2007年12月 - 2008年3月)

Updated on: Wednesday, 03-Jun-2009 15:27:26 JST

1. はじめに

この文書では、野辺山ミリ波干渉計(NMA)を用いて2007年12月〜2008年3月に観測を行う場合の装置の状況・利用可能な機能についてまとめています。 昨年度までとの違いや注意が必要な点は以下のとおりです。


2. アンテナおよびアンテナ配列

2.1. アンテナ配列の年間スケジュール

2007年12月〜2008年3月のアンテナの配列スケジュールは以下を予定しています。

Reconfiguration schedule
PeriodArray name
2007年12月から2008年2月までC array
2008年2月から3月末までD array

2.2. アンテナ配列と空間分解能


3. フロントエンド(受信機)

観測可能な周波数範囲と冬季晴天時における典型的なシステム雑音温度は 下記のとおりです。 これらの値は、天候・季節により、大きく悪化することがあります。

受信機性能
受信機名 S100 S150
受信機バンド 3 mm帯 2 mm帯
観測可能周波数範囲[*] 85 - 116 GHz 126 - 152 GHz
観測可能波長範囲[*] 3.5 - 2.6 mm 2.4 - 2.0 mm
周波数 85-110 GHz 115 GHz 147 GHz
波長 3.4 - 2.7 mm 2.6 mm 2.0 mm
受信機雑音温度[#] TRXin DSB 20 - 60 K 30 - 80 K
システム雑音温度[%] TSYSin SSB 200 - 500 K 400 - 800 K 500 - 1000 K

[*] 観測を希望する周波数が、これら周波数レンジの 端に位置する場合には、その周波数で本当にチューニング可能かどうか、 あらかじめ観測所まで確認をとるようにして下さい。
[#] LN2を用いたhot-cold法で測定されたもの。Figure 3参照。
[%] 実際に観測で得られた画像のrms noise levelから評価した、 実効的なSSB換算システム雑音温度 (1999年11月-2000年5月期実績値)。Y-factor法により得られる SSB換算システム雑音温度より、1.5 - 2倍程度大きな値となっています。


4. バックエンド(分光相関器)

4.1. 概要

広帯域・低分散分光用のUltra Wide Band Correlator (UWBC)と、狭帯域・高分散分光用のNew-FXが同時使用できます。

分光相関器
Correlator Bandwidth channel/baseline resolution
UWBC 1024 MHz 128 CH 8.0 MHz
512 MHz 256 CH 2.0 MHz
256 MHz 256 CH 1.0 MHz
New-FX 32 MHz 1024 CH 31.25 kHz

4.2. 周波数分解能・速度分解能

周波数/速度帯域幅と周波数/速度分解能
UWBCについてはHanning windowを使用した場合の 実効値
Correlator
Bandwidth/resolution
88 GHz 110 GHz 147 GHz
3.4 mm 2.7 mm 2.0 mm
UWBC 1024 MHz 3482 km/s 2765 km/s 2048 km/s
UWBC 512 MHz 1741 km/s 1382 km/s 1024 km/s
UWBC 256 MHz 872 km/s 698 km/s 522 km/s
FX 32 MHz 109 km/s 86 km/s 64 km/s
UWBC 1024 MHz mode
(16 MHz resolution)
54.4 km/s 43.2 km/s 32.0 km/s
UWBC 512 MHz mode
(4 MHz resolution)
13.6 km/s 10.8 km/s 8.0 km/s
UWBC 256 MHz mode
(2 MHz resolution)
6.8 km/s 5.5 km/s 4.1 km/s
FX 31.25 kHz/channel 0.106 km/s 0.0844 km/s 0.0625 km/s

分光器の周波数帯域幅とこれに対応するドップラー速度幅の関係は Δf/fobs = Δv/cです。 たとえば、UWBCを1024MHz幅128channel分光モードで使用する場合には、 全体でカバーできる周波数帯域幅(1024MHz)は、ドップラー速度幅 にして147GHzでは2088km/s、115GHzで2669km/s、89GHzでは3449km/s に相当します。

一方、UWBCを1024MHzモードで使用したときの1 channelあたりの周波数 帯域幅は8MHzであり、これはドップラー速度幅としては89GHzでは 26.9km/sに相当します。
ただし、UWBCの場合、「有限の帯域幅でFourier変換をしているために 発生するスペクトルのside lobe」を軽減するために、現在デフォルトで window functionとしてHanning windowをon-lineで使用しています。 この場合『実効的な周波数分解能(または速度分解能)』は、1 channel あたりの周波数帯域幅(または対応するドップラー速度幅)の2倍になります。
上の例では、(1 channelあたりの周波数帯域幅は8MHzですが) 『実効的な周波数分解能』は16MHzであり、 得られる速度分解能は89GHzでは53.8 km/sということになります。

FXではデフォルトでwindow functionを使用していないので、 1 channnelの周波数帯域幅(31.25 kHz)が周波数分解能に、 これに対応するドップラー速度幅(88 GHzでは0.11 km/s)が 速度分解能に、それぞれ対応しています。

Window functionについて:Uniform window(窓関数なし)の場合、 周波数方向にpeak levelが20%を越えるside lobeが現れます (masarなど非常に強いsourceの分光観測を行う場合には問題と なることがあります)。 一方、Hanning windowを使用してデータを取得すると、 周波数方向に現れるside lobeのpeak levelは3%以下にすることができます (現在、これがデフォルト設定になっています)。 ただし、そのかわりに周波数分解能が2倍、また感度も若干、低下します。 なお、この効果は、FX相関器ではほとんど問題にはなりません。

Window functionと周波数分解能への影響
Correlator Window function Half-amplitude width
(unit = B/N)
Peak sidelobe
UWBC Uniform (no window) 1.21 0.22
Hanning 2.00 0.027
Blackman 2.30 0.0012
New-FX Uniform (no window) 1.74 0.048

現在、window関数はUniform、Hanning, Blackmanの中から選択できるように なっています。初期設定ではHanning windowが使用されます。 なお、Hanning以外のwindow関数(Uniform = window関数なし、 あるいはBlackman)を利用したい方は、 あらかじめ関係者にご相談ください。


5. 感度

干渉計による「感度」を考える場合、 2つの要素があります。 1つは、「フリンジ検出感度」で、 reference calibratorとしてどれほど暗いものまで 使えるか、また、self-calibrationは 可能か、など、観測の「戦略」を検討する1つの材料となります。 2つ目は「イメージング感度」で、 天体の画像を得る際、それくらい積分するべきかを 決める際に必要なものとなります。

5.1. フリンジ検出感度

5.2. イメージング感度


6. その他の情報

6.1. データアーカイブおよびデータの保有期限

6.2. 論文出版


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