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国立天文台野辺山について

電波望遠鏡の紹介

45m電波望遠鏡

「ミリ波」と呼ばれる電波を観測できる電波望遠鏡では世界最大級の口径です。この大口径を活かして天体からのかすかな電波をとらえます。大きな望遠鏡は、傾けた時に自分自身の重さで鏡面が変形してしまいます。そこでこの望遠鏡の骨組み構造は、鏡面が変形しても新しいパラボラ面を作り、電波を効率よく集めるように設計されています(ホモロガス変形法)。

アンテナ方式 カセグレン変形クーデ方式
アンテナ直径 45m
鏡面誤差 0.1mm
観測周波数 5〜116 GHz(ギガヘルツ)
解像力最高 0.004°(視力4に相当)
アンテナ重量 約700t

太陽電波強度偏波計

太陽全体からくる電波の強さと電波の特性(偏波)を測定し、太陽活動の様子を調べる装置です。8台のアンテナを使い、7つの周波数を同時に観測しています。3.75GHz帯の観測では、70年以上継続していて(アンテナは何回か更新しています)、太陽の長期変動を調べるうえで、貴重なデータを取得しています。

アンテナ直径 25cm 〜 3m
アンテナ数 架台数6台/パラボラ数8個
観測周波数 1、2、3.75、9.4、17、35、80GHz
沿革 1950年代に1,2,3.75, 9.4 GHzの観測が名古屋大学・豊川キャンパスにて開始され、1970年代後半から1980年代前半に17, 35, 80GHzの観測が野辺山で開始されています。1993年に3.75 GHzのアンテナが野辺山にて新設され、また1994年に1, 2, 9.4 GHzのアンテナが豊川から野辺山へ移設され、現在の野辺山偏波強度計になりました。

ミリ波干渉計

6台のアンテナをケーブルでつないで同時に観測することで、最大で直径約600mの電波望遠鏡に相当する解像力で天体画像を描き出します。主に天体の様子を細かく調べることに威力を発揮してきました。アンテナは専用の移動用台車を使い、最適な観測位置へと場所を変えることができます。現在、科学運用は終了しています。

アンテナ直径 10m
アンテナ数 6台
観測周波数 80〜230 GHz
解像力最高 0.0003°(視力60に相当)
アンテナ重量 約35t

電波へリオグラフ

太陽専門の電波望遠鏡です。84台のアンテナを使い、直径500mの電波望遠鏡に相当する解像力を実現しています。太陽表面の活動のタイムスケールは1秒以下のものから10年以上にわたるものまでさまざまですが、最大で毎秒20枚の画像を得ることができる性能を活かし、ビデオカメラのように太陽の活動をモニターしています。2015年4月から名古屋大学宇宙地球環境研究所が運用を引き継ましたが、現在、運用は終了しています。

アンテナ直径 80cm
アンテナ数 84台
観測周波数 17、34GHz
アンテナ重量 約600kg