南米はアンデス山脈の高地、標高5000mを越す砂漠の中に、 いま、アルマという名前の、超巨大電波望遠鏡が建設されています。 アルマは、我が国を含め、文字通り世界中の天文学者が、 これまでの経験と最先端の技術、そして叡智を集めて共同建設する、 夢の望遠鏡です。 この望遠鏡が建設されている地域は、アタカマ砂漠と呼ばれ、 世界で最も乾燥した土地の一つと言われています。 訪れる者は、高山病の症状や激しい乾燥にしばしば 悩まされるという過酷な場所です。 天文学者たちは、なぜ、そのような土地を選んで アルマを建設しているのでしょうか。 そして、その厳しい建設期を経て完成するアルマは、 どんな新しい宇宙像を我々に見せてくれるでしょうか。 夢の望遠鏡アルマが解き明かすであろう数々の宇宙の謎を、 特に「超巨大ブラックホール」の謎にスポットをあてつつ、 わかりやすくお話したいと思います。