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研究者向け

国立天文台野辺山談話会 : NRO Colloquium

過去の談話会 (2008年度)

2008/04/10

日時 2008/04/10 (木)
場所
講演者 松井真 (鹿児島大学)
タイトル ミラ型変光星R UMaの年周視差計測~周期光度関係の高精度化を目指して~
概要
講演資料など

2008/04/15

日時 2008/04/15 (火)
場所
講演者 T. Kaminski (N. Copernicus Astronomical Center)
タイトル Studying the remnants of a stellar merger in V838 Mon
概要
講演資料など

2008/04/23

日時 2008/04/23 (水)
場所
講演者 中島淳一 (Univ. of Hong Kong)
タイトル Research Activity of the HKU Evolved Stars Group
概要
講演資料など

2008/05/15

日時 2008/05/15 (木)
場所
講演者 金子紘之 (総研大/国立天文台)
タイトル 相互作用の初期段階にある銀河ペア NGC4567/8 の観測的研究
概要
講演資料など

2008/05/16

日時 2008/05/16 (金)
場所
講演者 荒尾考洋 (鹿児島大学)
タイトル IRAS点源から選出したAGB星の近赤外線観測
概要
講演資料など

2008/05/19

日時 2008/05/19 (月)
場所
講演者 Paul Ruffle (Queens University Belfast)
タイトル Observations and Chemical Modelling of Galactic Edge Clouds
概要
講演資料など

2008/05/28

日時 2008/05/28 (水)
場所
講演者 安井千香子 (東京大学)
タイトル 低金属量下におけるdust disk の形成
概要
講演資料など

2008/06/11

日時 2008/06/11 (水)
場所
講演者 田中邦彦 (国立天文台)
タイトル ASTE望遠鏡が明らかにした銀河系中心の分子雲の泡状構造
概要
講演資料など

2008/11/05

日時 2008/11/05 (水)
場所
講演者 山田雅子 (ASIAA)
タイトル High density tracer line ratio in inhomogeneous ISM (+recent topics of molecular line transfer simulations)
概要
講演資料など

2008/12/17

日時 2008/12/17 (水)
場所
講演者 坂井南美 (東京大学)
タイトル Discovery of Warm Carbon Chain Chemistry in Low-Mass Star Forming Regions and Its Astrophysical Implication
概要
講演資料など

2009/01/07

日時 2009/01/07 (水)
場所
講演者 小麦 真也 (東京大学)
タイトル Cold Dust and its Heating Sources in the Spiral Galaxy M33
概要

 銀河に分布するダストには2つの温度成分がある事が知られている。 50K程度の温かいダストは星形成領域近傍にのみ分布するため、OB 型などの大質量星が熱源であると考えられている。一方で、20K程度 の冷たいダストは銀河全体に拡がった構造をもちつつも星形成領域近傍 に局在化して存在する。このような、星形成領域で観測される冷たいダ ストが何を熱源としているのかは、よく理解されていなかった。冷たい ダストを検出するのに最適なサブミリ波での観測が質・量ともに不足し ていたからである。

 我々は、ASTE望遠鏡に搭載されたAzTECボロメータを用いて 超近傍銀河M33の全面を波長1.1mmで観測した。本観測で得ら れた データはそのサーベイ面積(900平方分×2)、分解能 (30秒= 120pc)、感度(4.6mJy/b=600太陽質量)において過去に 例をみない 最も大規模・高品位のものである。

 このデータと赤外線衛星Spitzerからの160micronデータ を組み合わせ ることによって、M33内での低温ダストの温度分布を描き出すことに 成功した。中小質量星を熱源とした場合に予言されるダスト温度の滑ら かな動径分布を観測的に初めて検出し、さらにその温度は中小質量星を 熱源とした場合のモデルと一致することがわかった。さらに各星形成領 域において低温ダスト温度、Kバンド輝度、金属量などを比較した結 果、これまで知られていなかったいくつかの相関を発見した。本発表で は、それらの相関の紹介および物理的な背景に関する議論を行う。

講演資料など

2009/01/14

日時 2009/01/14 (水)
場所
講演者 小野寺幸子 (東京大学)
タイトル 最近傍の渦巻銀河M33における分子雲の性質と星形成
概要

個々の巨大分子雲(GMC)の物理状態や星形成活動の進化をひとつの銀河全体にわたって調べるため、 NRO45m鏡を用い、最も近傍の渦巻銀河のひとつM33における12CO(J=1-0)分子輝線の観測を行った。 M33は840kpcと距離が近いためにGMCを45m鏡で分解することが可能であり、また銀河面を俯瞰できるために 銀河の構造と巨大分子雲の位置関係がとらえやすく、一つの銀河内における巨大分子雲の進化の研究には 絶好のフィールドである。本研究では、BEARSとOTF観測モードを用いてM33の北側の領域を効率的に マッピングし、先行研究に比べ感度においても均質性においても優位となる高品質のデータを取得した。 この結果、GMCのスケールにおいては、CO(1-0)と星形成率の相関(Schmidt則)が全く成立しないことを発見した。 Schmidt則は、あるスケール以上の分解能で、さまざまな個性(星形成率やガス質量、進化段階)を もつGMCを平均していることによって見える相関であり、個々の分子雲が従う法則ではないことがわかった。 このように星形成の個性が大きくばらつく要因を探るべく、個々の物理状態を調べるため、28個のGMCについて ASTEによるCO(3-2)輝線の観測を行い、100pcスケールでの高密度ガスの形成過程に迫るために、 輝線強度比R3-2/1-0とGMCの質量、星形成率の関連を調べた。 ここから、R3-2/1-0の下限値がGMCの質量とともに増加すること、さらに星形成率の低いGMCは上で R3-2/1-0の低い領域に存在することが判明した。この結果に基づいて、R3-2/1-0の下限側に存在する GMCは進化の初期で星形成を始めたばかりの状態にあり、進化が進むにつれて星形成が活発になり 周囲のガスの温度を上げるためにR3-2/1-0が高くなると考察した。すなわちR3-2/1-0の下限は星形成に よる温度の影響が除かれ、ほぼ密度によって定められると考えられ、そうであれば、質量の大きいGMCほど 高密度ガスを効率的に作っているという仮説を立てることができる。 この仮説を検証するために、さらにもう一つのCO分子輝線である13CO(1-0)の観測や、高密度ガスを トレースするHCN輝線の観測を次の課題として予定している。

講演資料など

2009/01/14

日時 2009/01/14 (水)
場所
講演者 田村陽一 (東京大学)
タイトル 高赤方偏移における大質量爆発的星形成銀河及び宇宙大規模構造との関係
概要

宇宙の大規模構造はどのように形成し成長したのか。また、その大規模 構造の中で大質量銀河(約10^11太陽質量)はどのよ うに形成・進化したのか。非相対論的暗黒物質に基づく現在の構造形成 論によれば、銀河団は暗黒物質の空間分布のピークに位置する。なかで も高密度のピークでは爆発的星形成を伴った大銀河の形成が生じている 可能性が高く、超新星爆発により生成された星間ダストが銀河全体を覆 い尽くすと考えられる。このダストは星形成領域からの紫外線をほぼす べて吸収し、遠赤外線からミリ波サブミリ波領域で莫大なエネルギーを 放射する。このような形成途上にある大質量銀河は「サブミリ波銀河」 と呼ばれ、宇宙星形成史、巨大銀河形成、大規模構造形成といった現代 の宇宙物理学の中心課題と強く関連していることが指摘されている。一 方で、観測技術の困難がこれらの問題の解決を大きく妨げていた。

本研究では「サブミリ波銀河は成長中の宇宙大規模構造がつくる重力ポ テンシャルの底部に形成する」という作業仮説を検証することを目的と し、ASTE望遠鏡/AzTECカメラ(波長1.1ミ リ)を用いてSSA22原始銀河団領域(赤方偏移 3.1, 現在の宇宙年齢の15%程度の時代)に対するサブミリ 波銀河の広域(0.11平方度)の探査を実行した。この結果、 30個のサブミリ波銀河の検出に成功し、これらが赤外線光度にして 10^12.5太陽光度を超える(極)超高光度赤外線銀河に対応 することがわかった。我々の発見のうち最も重要なものは、これらのサ ブミリ波銀河が原始銀河団領域に集中している点である。この集中度は N体計算に基づく理論的な予想とも矛盾しない。我々が発見したこのサ ブミリ波銀河群は、野辺山宇宙電波観測所が開所以来目にした最大規模 の宇宙構造であると同時に、サブミリ波銀河が宇宙の高密度環境の中心 で選択的に形成されやすいことを観測的に示唆した重要かつ最初の例で ある。

講演資料など

2009/01/28

日時 2009/01/28 (水)
場所
講演者 黒野泰隆 (東京大学/NRO)
タイトル 単一型電波望遠鏡と電波干渉計のデータ結合手法による星形成コア構造の解明
概要

星はこの宇宙の構造と進化における最も基本的な構成要素であり、その 形成・進化過程を解明し理解することは天文学の大きな研究課題の一つである。 星形成の直接の母体である分子雲コアに対するこれまでのミリ波サブミリ波観測 は、単一鏡では分解能不足、電波干渉計ではshort spacing problemと常 に感度を持つスケールレンジが制限されてきた。我々の目的は単一鏡と干渉計のデータ 結合という解析手法を確立し、低質量星形成分子雲コアの詳細な密度・速度構造 を、高い空間ダイナミックレンジで明らかにすることである。 我々はこのデータ結合手法に対してイメージング・シミュレーションと 解析的な検討から、high-fidelityの結合イメージを得るパラメータ選択 について重要な様々な結論を得ることができた。最も重要なのは(1)単一鏡から 発生させるvisibility dataと干渉計のvisibility dataとの間の最適な weightは、結合synthesized beamのCLEAN beamとの残差がゼロの平均をもつ weightに対応している。(2)SNの悪い単一鏡イメージは、結合イメージにnon- thermalなエラーを強調する傾向があり、これを最小限に抑えるには空間周波数ドメインでの単 一鏡ノイズレベルが干渉計ノイズレベルを下回る必要がある。また、単一鏡デー タのdeconvolutionの影響を考慮すると、干渉計観測の最小ベースラインに 比べて単一鏡の口径は十分大きいことが要求される。単一鏡データ解析のの deconvolution beamやポインティング・エラーを含めたシミュレーショ ンとその 解釈から、解析的な制限も導いた。 我々の行った最適化によって、得られる分子雲コアのイメージと解釈に どのようなインパクトがもたらされるか、45m鏡とNMAを用いた B335に対するH13CO+(1-0)観測を例に紹介する。B335は近傍250pcに位置するClass 0 protostarに付随する分子雲である。我々が得たコア密度構造は、これまで数多くなされてき た結果とコンシステントであるとともに、分子輝線観測で初めて密度プロファイ ルのturnoverを検出した。さらに、45m鏡のみでは解釈が不可能な位 置-速度図が、データ結合の結果では非常に系統的な速度構造を明らかにすることがで きた。これらの密度と速度構造は、低質量星形成の理論的な予測によって自然に 解釈できることが重要である。さらに、簡易な位置-速度図のシミュレー ションを行った 結果、B335分子雲コアはShu解もしくは僅かに不安定な Bonnor-Ebert球の収縮で 説明できることがわかった。 このデータ結合の手法はACAを含むALMAを用いた観測の最 も基本的かつ本質的な 概念である。データ結合手法に対する本研究の得られた結果は、そのよ うな heterogeneous array imagingの一般的な議論へ適用することも可能で ある。そ の際のデータ取得や解析のパラメータ最適化の重要性、そして広いス ケールレン ジに渡る連続的な物理量の解明がもたらす本質的な解釈と将来の展望に ついて紹 介する。

講演資料など

2009/02/04

日時 2009/02/04 (水)
場所
講演者 久保井彬仁 (東京大学)
タイトル AzTEC/ASTEを用いた銀河団のSunyaev-Zel'dovich効果の観測的研究
概要

 銀河団は宇宙最大の自己重力系である。密度ゆらぎの成長に伴い、より小規模 な銀河団同士の衝突合体も繰り返され、現在のような姿に成長したと考えられて いる。銀河団には、銀河の総質量の5倍ほどの高温ガス(~数千万度)が存在する ことが知られている。この高温ガスの観測には制動放射のX線観測が主になされ ているが、ミリ波サブミリ波によってSunyaev-Zel'dovich効果(SZ効果)の観測が 可能である。SZ効果は、宇宙背景放射(CMB)が銀河団内高温ガスの電子による逆 コンプトン散乱により、ミリ波帯ではそのCMB輝度が減少(decriment)し、サブミ リ波帯では増加 (incriment)する現象である。その特徴の一つは表面輝度が redshiftに依存せず、遠方の銀河団にわたって観測することが可能なことであ る。SZ効果の観測は非常に困難であったが、最近のボロメータ検出器等の技術的 発展や、観測好適地でのミリ波サブミリ波観測の実現により、高感度のSZ観測が 可能となってきた。

 我々は今回、ASTEに搭載されたAzTEC連続波カメラ(観測波長1.1mm、ビームサ イズ30arcsec)を用いて、銀河団内高温ガスの物理状態の理解を目的として、銀 河団計5天体のSZ効果の観測を行った。その中でも本研究では銀河団RX J1347.5-1145(z=0.45)の観測結果を示す。この天体はX線で最も明るく見える銀 河団として有名な天体である。また、X線と多派長のSZ 効果の観測がすでになさ れており、銀河団同士の衝突の名残と解釈されている超高温成分が見いだされて いる。

 今回我々はAzTEC/ASTEにて、RX J1347.5-1145のこれまでにない広視野で高感 度の1.1mmのSZ効果(incriment)のイメージを取得した。Chandraで検出した X線 の球対称からの歪みは、今回の観測でSZ効果でも検出することができた。取得し たイメージから、銀河団内高温ガスの一般的なモデルであるβモデルのβ の値 と、銀河団中心でのコンプトンのyパラメータ、y(0)の下限値を導出した。この コンプトンのyパラメータはシミュレーションから銀河団の質量Mと良い相関があ ることが示唆されている。求まった値はβ=0.44_{-0.08}^{+0.41}、y(0)>4.1×10^ {-4}である。このβ の値はX線による結果β=0.56±0.04と比較して大きな矛盾のな い結果となった。精度としてはまだX線には及ばないが、今回は一波長のデータ だが、これまでのSZ観測の中でも高精度な結果である。y(0)についてもこれまで の観測値y(0)=(7.7±1.6)×10^{-4}と矛盾しない結果となった。

 一方、銀河団中心から40''南西に位置する既知のサブミリ波銀河も1.1mmで検 出した(この天体は重力レンズ効果を受けた超赤色天体に同定されている)。さら に観測領域に新たにサブミリ波銀河を計10天体検出した。

 今回の研究から、SZ効果から求めた密度プロファイルを反映するβが、X線によ るβ値とほぼ一致したということは、共に高温ガスをトレースしているというこ とを意味している。今後X線では観測できないような遠方の銀河団の研究におい て、このようなSZ効果の検出と詳細観測が重要となってくるであろう。

講演資料など

2009/02/04

日時 2009/02/04 (水)
場所
講演者 百瀬莉恵子 (東京大学)
タイトル High resolution study of star formation activity bars and spiral structures in NGC 4303
概要

It is commonly seen in barred galaxies that a star formation is largely suppressed in a bar structure ,but active in outer spiral arms (Sheth et al. 2000, 2002). Hα or UV emission which trace HII region around massive young stars, show this trend clearly. The low star formation efficiency (SFE = SFR / Mgas) in bar are often discussed as due to gas dynamics on bar (Downes et al. 1996) : however the difference of SFE in bar and spiral arms including the gas kinematics has never been discussed over the entire galaxy based on solid observation (Regan, Sheth & Vogel 1999, Koda & Sofue 2006). Then we discuss the difference of star formation activity depending on nuclei, bars, arms, inter-arm regions, and dynamics which is believed to cause the difference of star formation activity. The goal of this study is to understand star formation in nearby barred spiral galaxies with a few 100 pc resolutions. NGC 4303 which is a member of the Virgo cluster was observed with 12CO emission using by 45m radio telescope of Nobeyama Radio Observatory (NRO45m) and Combined Array for Research in Millimeter-wave Astronomy (CARMA). High sensitivity (NRO45m) and high spacial resolution (CARMA) observations including outer spiral arm (r ≫ 80”, 6.2 kpc) and “combine method” enable us to estimate accurate physical quantities (e.g., molecular gas mass, velocity field) and to discuss dynamics of molecular gas with GMAs scale in NGC 4303. Since the conversion factor seems to depend on metallicity, radial variable conversion factor was used in this study, and then SFEs were estimated. As a results of area-averaged SFEs, there is little difference between the bar and the arms, and SFEs are not so high comparing to the nucleus. However, points of higher SFEs comparable to the nucleus are found within both the bar and the arms. This higher SFEs exist downstream of CO arms and outside of offset ridges. Thus, analysis about dynamics in NGC 4303 suggests that star formation would be suppressed by shear around offset ridge. By contrast, we found molecular gas arms and Hα arms exist around corotation radius where is bottom of potential would be located. In this area, molecular gas might be accumulated and would be easy to promote star formation.

講演資料など

2009/03/04

日時 2009/03/04 (水)
場所
講演者 遠藤 光氏 (東京大学)
タイトル 超伝導デバイスのいま
概要

1979年に提案されたSISミクサは、高品質なNb/Al-AlOx/Nb SIS接合作製技術の確 立という追い風を受け、瞬く間にミリ波天文学を席巻した。さらに今世紀に入 り、Nbのギャップ周波数の壁、700 GHzを超えてテラヘルツ領域で低雑音動作す る化合物超伝導体SISミクサも珍しくなくなった。ALMAおよびHerschel/HIFIは、 天文学にブレークスルーをもたらす一方、超伝導デバイスの分野にとってはSIS ミクサ技術の成熟を記念するきわめて大きなマイルストーンとなる。

さて、「ALMAが全てではない」とばかりに次々と建設されている地上大口径ミリ 波サブミリ波単一鏡の検出器は、1素子ごとの雑音が大気放射の光子ノイズで制 限されるため、マッピング能力を向上するには基本的に素子数を増やすしかな い。一方、SPICAのような飛翔体観測装置には、背景雑音の低さを無駄にしない よう、NEP = 10^-19 W/√Hz程度のきわめて低雑音な検出器が求められる。これら の要求に応えるべく、古株のSTJやTESに、MKIDs, pair-braking STJなどの新種 亜種を加え、さらにCooper pair box detectorなどの珍種も飛び出し、さながら 超伝導検出器のカンブリア紀のようである。

講演者は、SIS接合に関するサイエンスで今春学位を取得し、卒業後は欧州で MKIDsを研究する、超伝導検出器の専門家である。本講演では、前半に博士論文 の主題である超低抵抗率AlNバリアSIS接合について述べる。後半は、MKIDsの基 本的原理と世界的な研究開発の情勢を紹介し、野辺山でも活発な超伝導カメラ研 究開発の今後を議論する契機としたい。

講演資料など

2009/03/18

日時 2009/03/18 (水)
場所
講演者 田代 素子(東京大学)
タイトル 高赤方偏移電波銀河周辺におけるサブミリ波銀河ナンバーカウントの多様性
概要

これまで、高赤方偏移電波銀河(High-z Radio Galaxies; 以下HzRGと略す)の 周辺では、ミリ波サブミリ波で明るく輝く高赤方偏移天体、サブミリ波銀河( Submillimeter galaxies,以下サブミリ銀河もしくはSMGと略す)の個数密度が、 一般の天域と比較して有意に上昇していることが報告されている。サブミリ銀河 は、活発な星形成(星形成率~数100 Msun/yr- 数1000 M sun/yr)により暖めら れた大量のダスト放射により輝いているため、これらは、現在形成途上にある若 い大質量銀河ではないかと考えられている。すなわち、HzRG 周辺には、形成途 上にある大質量星形成銀河の集団、いわば形成途上の原始銀河団が存在している のではないかと考えられている。しかしながら、HzRG 周辺におけるサブミリ銀 河のこれまでの観測は、HzRGのごく近傍(~数平方分角あるいは2 Mpc2 程度の 領域)に限られており、他の波長で検出されている原始銀河団スケール(~ 数 10 Mpc2)でサブミリ銀河が分布しているのかどうかはわかっていなかった。 そこで我々は、144 素子ボロメータカメラAzTEC を搭載したAtacama Submillimeter Telescope Experiment(ASTE)を用いて広範囲の1.1mm サーベイ を行った。空間分解能は30” であった。観測領域はHzRG MRC0355-037(z=2.1)、 TNJ1338-1942(z=4.1) 周辺と、‘blank field’ であるGOODS-Sで、それぞれ面 積201、197、429arcmin2、ノイズレベル0.92、0.88、0.55mJy/beam を達成し、 SMG はS/N>3.5. で23、7、48 個検出された。実際に観測されたソースカタログ をもとにナンバーカウントを計算した。ナンバーカウントはソースの個数密度を 統計的に評価する指標として非常に重要である。結果は、おおよそMRC 0355-037 ≫ ADF-S(AzTEC/ASTE で観測されたblank field > GOODS-S >TNJ1338-1942 とな り、積分カウントは4.5mJy でそれぞれ86, 88, 34, 16deg.2 であった。このよ うに、HzRG周辺>blank field というようにはっきりと別れず、field to field variationがあらわになった。 まずHzRG MRC 0355-037 と同じぐらいSMG が群れているblank field ADF-S に関 しては、これまで知られていなかった、サブミリ波源の密度超過を伴う原始銀河 団形成領域を含んでいる可能性が示唆された。 また、HzRG 同士では優位にMRC 0355-037 の方がTNJ1338-1942 よりナンバーカ ウントが高く、明るいソースが多いことがわかった。TNJ1338-1942 に関しては 1Mpc2 スケールではサブミリ波ソースの密度超過が報告されており、我々が今回 観測した30Mpc2 スケールではSMG の密集は観測されなかった。よって、MRC 0355-037 とTNJ1338-1942 とでは大質量星形成銀河の密度超過でトレースされる 原始銀河団形成進化の異なるフェイズが観測的に示唆されたといえる。 また、SMG がHzRG と同じz にあるかどうかを確認するために、Spitzer/MIPS 241mデータを用いてphoto-z を行い、241mデータがなかったTNJ1338-1942-03 以 外の6個はすべてz>1 という制限が得られた。上述の議論は、観測されたサブミ リ波源がHzRG に付随する原始銀河団の一員だと仮定した場合に成り立つもので ある。今後他波長データ測光が求められる。 今回は2 つのHzRG 周辺のナンバーカウントを計算したが、より一般的な議論を するためにはさらに多くのHzRG + 原始銀河団のサブミリ波観測を行い、ナンバ ーカウントを計算し、photo-z を行って、検出されたSMG がどの程度の割合で原 始銀河団に属るすのかを調べていく必要がある。 また、「宇宙の一般的なSMG 表面密度」を調べるため、あるいはまだ見つかって いない高密度領域を探すためにも、より広いblank field サーベイが今後求めら れる。

講演資料など

2009/03/23

日時 2009/03/23 (水)
場所
講演者 氏原秀樹 (国立天文台VSOP-2推進室)
タイトル 電波望遠鏡用フィードアンテナの開発
概要

フィードアンテナは電波望遠鏡の焦点に置かれ,集光 された電波を受信機へ導くための小さなアンテナである。 国立天文台とJAXAが共同で制作中の電波干渉計用衛星、 ASTRO-G/VSOP-2用フィード、及び,国立天文台VERA プロジェクトの20mアンテナで水メーザの観測を可能に するためのフィードとして開発してきた多モードホーン について述べる。

これらのホーンは数値シミュレーションに基づいて設計 し,京大宇治キャンパスで試作機の測定を行った。 また、SKAに向けた広帯域フィードについても触れたい。

講演資料など