国立天文台野辺山談話会 : NRO Colloquium
過去の談話会 (2016年度)
世話人
- 宮本祐介
2016/04/05
日時 / 場所 | 2016/04/05 (火), 15:00-16:00 / 輪講室 |
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講演者 | 中井直正 (筑波大学) |
タイトル | 南極望遠鏡計画の進捗状況 |
概要 |
南極10mテラヘルツ望遠鏡に関しては、当初建設予定であった新ドームふじ基地の建設が当面困難であることが明らかになったので断念し、 内陸部にある既存の越冬基地である仏伊のコンコルデイア基地(ドームC)に変更し、仏伊側と交渉するとともに1月~2月に当該基地で実地調査を行い、 また現地エンジニアと共同で具体的な建設行程案を策定した。その状況を報告する。 30mテラヘルツ望遠鏡計画に関してはTMT後の次期大型計画とするための具体的な実現の方策(大規模輸送、大電力供給等)を国立極地研究所と検討開始した。 極地研究所としては日本の南極大型計画として積極的に推進する可能性も検討している。 |
講演資料など |
2016/04/19
日時 / 場所 | 2016/04/19 (火), 15:00-16:00 / 輪講室 |
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講演者 | 福島登志夫(国立天文台天文情報センター) |
タイトル | ディスクダークマターによる渦巻銀河M33の回転曲線の解釈 |
概要 |
We developed a numerical method to compute the gravitational field of an infinitely-thin axisymmetric disc with an arbitrary surface mass density profile. We evaluate the gravitational potential by a split quadrature using the double exponential rule and obtain the acceleration vector by numerically differentiating the potential by Ridders' algorithm. The new method is of around 12 digit accuracy and sufficiently fast because requiring only one-dimensional integration. By using the new method, we show the rotation curves of some non-trivial discs: (i) truncated power-law discs, (ii) discs with a non-negligible center hole, (iii) truncated Mestel discs with edge-softening, (iv) double power-law discs, (v) exponentially-damped power-law discs, and (vi) an exponential disc with a sinusoidal modulation of the density profile. Also, we present a couple of model fittings to the observed rotation curve of M33: (i) the standard deconvolution by assuming a spherical distribution of the dark matter and (ii) a direct fit of infinitely-thin disc mass with a double power-law distribution of the surface mass density. Although the number of free parameters is a little larger, the latter model provides a significantly better fit. (Reference: Fukushima, T. 2016, MNRAS, 456, 3702) |
講演資料など |
2016/05/16
日時 / 場所 | 2016/05/16 (月), 16:15-17:15 / 輪講室 |
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講演者 | Robert Williams(Space Telescope Science Institute) |
タイトル | Deep Fields of Hubble Space Telescope |
概要 |
TBC |
講演資料など |
2016/08/01
日時 / 場所 | 2016/08/01 (月), 15:00-16:00 / 輪講室 |
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講演者 | 南谷哲宏 (野辺山宇宙電波観測所) |
タイトル | Conference Report: SPIE Astronomical Telescopes + Instrumentation 2016 |
概要 |
6/26 -- 7/01 にエジンバラで行われた、SPIE Astronomical Telescopes + Instrumentation 2016 に参加してきたので、その報告をする。 といっても、巨大なconferenceで、非常に多くのパラレルセッションがあるので、メモと記憶の範囲内で、いくつかのトピックについて紹介したい。 また、その後、Liverpool John Moores University, SKAO in Jodrell Bank Observatory にも立ち寄ったので、これらについても触れたい。 |
講演資料など |
2016/08/23
日時 / 場所 | 2016/08/23 (火), 15:00-16:00 / 輪講室 |
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講演者 | 徳田一起 (大阪府立大学) |
タイトル | ALMA Observations of a High-density Core, MC27/L1521F in Taurus: Dynamical Gas Interaction at the Possible Site of a Multiple Star Formation ほか |
概要 |
分子雲コアがいつどのように分裂/収縮するかなどを観測的に明らかにすることは、形成される星の質量分布や連星の形成機構などを知る上で極めて重要となる。 ALMAの登場により、分子雲コア中で、原始星が形成される直前もしくは直後に対応する星形成の初期状態を詳細に調べることが初めて可能となった。 本講演では、原始星形成極初期段階にある分子雲コア MC27/L1521F(e.g., Onishi et al. 1999)に対するALMA Cycle 0,1による観測について紹介する。 これらの観測により、MC27の中心部において、Spitzerで確認されていた低光度原始星から数100 AU離れた位置に極めて高密度(~10^7 cm^-3)なsubstructureを伴った星なし分子雲コア(MMS-2)、 非常にコンパクトで若い(~200 年)アウトフロー、2000 AUスケールのアーク構造など総じて非常に複雑な構造の存在が明らかになった。 これらは原始星や分子雲コア同士が動的に相互作用し、連星形成を進行させるという描像を初めて観測的に示唆するものでる。 また、ACAおよびIRAM-30m, JCMTを含めたダスト連続波の広がった成分の観測により、中心天体から3000 AU付近で柱密度分布のベキ指数が異なっている(内側~r^-0.4, 外側~r^-1.0)ことを見いだした。 この構造をinside-out collapse model (e.g., Shu 1977)で説明するには中心の原始星が若すぎるなど、いくつか矛盾が生じる。 密度分布がshallowな内側の領域には上記に述べた複雑な構造が分布していることから、この密度構造は中心部の分子雲コアや原始星同士の相互作用により形成されたものであると解釈している(Tokuda et al. 2014; 2016, Matsumoto et al. 2015)。 さらに、本講演では我々が進めている大阪府立大学1.85m鏡やALMAを用いた銀河系/マゼラン雲に存在する分子雲の観測的研究についてもいくつかダイジェストで紹介する予定である。 |
講演資料など |
2016/09/06
日時 / 場所 | 2016/09/06 (火), 15:00-16:00 / 輪講室 |
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講演者 | 長谷川哲夫 (国立天文台チリ観測所) |
タイトル | ノベヤマの役割ー過去・現在・未来 |
概要 |
1960-1970年代、当時の世界の研究動向の一歩先を見据えて構想された45m望遠鏡および野辺山宇宙電波観測所は、 日本の天文学者を一気に世界の研究の最前線に立たせました。 構想からもうすぐ50年、開所からもうすぐ35年となる観測所の、未来につながる価値について、一緒に考えてみましょう。 |
講演資料など |
2016/11/15
日時 / 場所 | 2016/11/15 (火), 15:00-16:00 / 輪講室 |
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講演者 | 谷口暁星 (東京大学天文学教育研究センター) |
タイトル | FMLO-周波数変調局部発振器を用いた新しいミリ波サブミリ波分光手法の開発 |
概要 |
我々は、ヘテロダイン受信機の局部発振器 (Local Oscillator; LO)の発信周波数を変調 (Frequency Modulation; FM)することで単一鏡分光観測の感度を向上させる、 新しいミリ波サブミリ波分光法FMLOの開発を行っている。 本手法では従来のポジションスイッチ観測や周波数スイッチ観測で取得すべきオフ点 (参照スペクトル)の観測が不要なため、 観測効率の大幅な改善による感度の向上が可能である。 これは、分光計出力を高頻度 (10 Hz)で取得しつつ、LO周波数を変調させて天体信号を時間空間上で高周波に変調することにより、 低周波成分が卓越した1/f状の相関雑音と天体信号とを時系列データ上で分離することで実現している。 これにより、観測効率および感度の向上とともに、ベースラインのうねりの低減、サイドバンドの分離が可能となり、 線幅の広い系外銀河の輝線探査やオフ点観測が難しい銀河面サーベイなどに、絶大な威力が発揮されることが期待される。 本談話会ではFMLOの原理に加え、野辺山45mとASTEに搭載されたFMLO制御システム、解析パッケージおよびパイプラインの開発、FMLO観測データ用いた性能評価について紹介する。 解析パイプラインの開発では、連続波多素子カメラの反復モデリングを応用するとともに、相関雑音の分離に確率モデルを導入した主成分分析 (PPCA)を用いることで、 天体信号スペクトルの再現性が大幅に改善した。 また性能評価では、周波数変調と分光計のデータ取得間の時刻同期を1msの精度で実現し、分光計チャンネル間での意図しない天体信号の漏れ込みが十分小さいことを確認した。 その上で、FMLOによる系内分子雲Ori-KLの輝線観測をポジションスイッチ観測と比較することにより、周波数変調の速度と幅のパターンの最適化、FMLO観測によるオフ点不要なマッピング観測を実証した。 |
講演資料など |
2016/12/14
日時 / 場所 | 2016/12/14 (水), 15:00-16:00 / 講義室2 |
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講演者 | 川室太希 (京都大学) |
タイトル | 広帯域 X 線スペクトルを用いた活動銀河核構造の理解 |
概要 |
活動銀河核 (AGN: Active Galactic Nucleus) の統一モデルによれば、降着質量の供給源と考えられるトーラスから降着円盤を通じて SMBH に質量が供給されると考えられている。 したがって、トーラスや降着円盤構造が AGN 活動性とどのような関係にあるかを調べることは興味深い課題である。 降着円盤やトーラスの調査には、広帯域 X 線観測が非常に有効である。 連続成分を特徴付ける光子指数から降着円盤とそれに付随する X 線放射コロナの性質の調査、連続光の吸収量からトーラスの水素柱密度を計測、 トーラス由来の鉄輝線と 30 keV でハンプを持つ反射成分の検出、そして、硬 X 線の高い透過力から光度を正確に見積もることができるからである。 そこで我々は、吸収によるバイアスが最小限な硬 X 線 Swift/BAT 70ヶ月カタログから、「すざく」 で観測された二つの種族に着目して、系統的解析を行った(Kawamuro et al. 2016b, ApJS; Kawamuro et al. 2016c, ApJ)。 まず、適度に吸収を受けた AGN (水素柱密度 log NH = 22–24 cm^-2) に着目した。 これらの種族は、まさに吸収量が観測でき、また、コンプトン散乱に対して厚い AGN(log NH > 24 cm^-2) と比べて光度を正確に見積もることができるからである。 我々は、45 の AGN の広帯域 X 線スペクトル (0.5–150 keV) の解析結果をもとに以下の事実を突き止めた。 (1) 光子指数はエディントン比と正の相関を示す。これは理論的に、質量降着の増加に伴って放射が高くなり、コンプトン散乱によるコロナの冷却が効くことで、 より高いエネルギーの電子が減るため光子指数が大きくなるというモデルで説明できる。 (2)トーラス構造の立体角に相当する鉄輝線の硬 X 線連続成分に対する光度比が X 線光度の増加に伴って小さくなる。 この事実は、光度の増加に伴ってトーラス内縁半径が後退し、立体角が小さくなる描像と定性的に一致する。 (3) 水素柱密度 (log NH = 22) で分けた二つのサンプルに対して積算スペクトルを作成し、30 keV に見られる反射成分の平均強度を過去最高精度で見積もった。 結果、吸収を強く受けた天体ほど、反射強度が大きい、もしくはトーラスの立体角が大きくなる傾向を得た。 次に、我々は、10 個の X 線低光度 (log Lx < 42 erg s^-1) AGN に着目し、同様に広帯域 X 線スペクトルの解析を行った。 そして、先程の低光度でない AGN の結果の予測に反する以下の二つの事柄を発見した。 (1) エディントン比と光子指数が負の相関を示す。この事実は、標準降着円盤がブラックホール近傍まで伸びていず、代わりに放射非効率降着流が形成されている可能性を示唆する。 (2) 鉄輝線の硬 X 線連続成分に対する光度比が X 線光度の増加に伴って大きくなる。また、特にエディントン比の小さい (< ~ 2x10^-4) 2 天体で、トーラス由来の鉄 K 輝線が有意に検出されなかった。 結果、低光度 AGN では、光度増加によるトーラス内縁後退モデルがあてはまらず、光度に変わりエディントン比がトーラス構造を理解するうえで重要な物理量だと示唆された。 もし、時間があれば、NRO で採択された、また short program として投稿中の AGNサイエンスの内容についても紹介したい。 |
講演資料など |
2017/01/17 (1)
日時 / 場所 | 2017/01/17 (火), 15:00-16:00 / 輪講室 |
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講演者 | 倉上富夫、和田拓也、半田一幸(NRO) |
タイトル | MMC制御装置の更新(倉上)、メトロロジーの検討(和田)、今期立ち上げ測定の結果報告(半田) |
概要 |
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講演資料など |
2017/01/17 (2)
日時 / 場所 | 2017/01/17 (火), 16:00-17:00 / 輪講室 |
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講演者 | 小山 舜平 (東京工業大学, ISAS/JAXA) |
タイトル | 近傍銀河における分子ガスの性質と銀河環境の関係 |
概要 |
銀河団や銀河群のような銀河密度の高い環境では、パッシブな銀河の割合が増加することが知られている。 これは、銀河の住まう環境がその銀河の星形成に大きな影響を与えていることを意味する。 この環境効果がどのようなメカニズムにより起きているのかを明らかにすることは、銀河進化の研究において重要な課題である。 銀河の星形成が通常より早く抑制される場合、星形成の材料である分子ガスの存在量や星形成効率などに異常が現れることが予想される。 高密度環境においてもこれら異常の有無を調べることができれば、環境効果の理解につながると期待される。 そこで本研究では、NRO45mによるCO観測と文献データを併用して様々な環境にいる銀河の分子ガス質量を求め、分子ガス質量比や星形成効率の環境依存性を調査した。 現在までの結果として、低密度から高密度な環境にいる星形成銀河同士の比較では、分子ガスの存在量や星形成効率に環境依存性が見られないことを発見した。 これは、星形成銀河内部の分子ガスには環境の影響が及んでいないことを示唆している。 一方で、より星形成活動の低い銀河同士の比較では高密度環境ほど分子ガスが少なくなっている兆候が見られたが、統計量が不足しているため明確ではない。 今期の観測はこれを明らかにすることを目的としている。 |
講演資料など |
2017/01/31
日時 / 場所 | 2017/01/31 (火), 15:00-16:00 / 輪講室 |
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講演者 | 中西 裕之 (鹿児島大) |
タイトル | Stacking解析による銀河星間ガス量の進化 |
概要 |
中性水素原子(HI)ガスは銀河星間物質の主要要素であり、その量は星形成、銀河相互作用、 銀河団環境効果などによって変化するため銀河の進化を明らかにする上で重要な要素である。 最近の研究(Delhaize et al. 2013, Hoppman et al.2015)によると赤方偏移z < 1の範囲では HI量は一定であると言われているが、これまでの研究は十分なSNが得られているにもかかわらず、 進化の時間分解能5億年程度でしか調べられていない。 銀河の典型的な星形成率は数Mo/yrであることを考えると、HIガス量は1億年で10^8 Mo程度、変化している可能性がある。 そこで我々は豪パークス望遠鏡で観測されたHI Parkes All-Sky Survey(HIPASS)のデータおよび豪AAO望遠鏡で観測された Two-degree Field Galaxy Red shift Survey(2dFGRS)データを用いてStacking(重ね合わせ)解析を行い、 過去5億年(z=0-0.04)にわたるHI量の進化を0.6億年の時間分解能で調査した。 2dFGRSにより赤方偏移が測定された約1万天体について、HIPASSのスペクトルの周波数を静止周波数に変換し、 重ね合わせることによって、単独では検出できないHIスペクトルを検出することができた。 この手法は微弱な信号が検出できることに加え、無バイアスなサンプルであることから宇宙の平均的な銀河進化を見ることができるという利点がある。 本談話会では本研究で得られた結果を紹介し、またその発展として進めている野辺山45m鏡による銀河分子ガス量進化の研究についても紹介したい。 |
講演資料など |
2017/02/07
日時 / 場所 | 2017/02/07 (火), 15:00-16:00 / 輪講室 |
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講演者 | 服部 有祐 (名古屋大学) |
タイトル | 分子雲衝突によるSpitzer Bubble の形成 |
概要 |
大質量形成の理解は天文学において重要な課題の一つである。近年、この大質量の形成メカニズムの一つとして分子雲衝突による形成モデルが注目されている。 分子雲衝突とは、視線速度の異なる2つの分子雲の衝突によって、大質量星が誘発的に形成されるというシナリオである。 我々は分子雲衝突による大質量星形成の可能性を探査すべく、大質量星形成領域である Spitzer Bubble 方向の分子雲に注目している。 これまでに視直径が6'以上の52天体についてNANTEN2望遠鏡を用いたCO観測が行われており、30天体について視線速度の異なる2つの分子雲が検出されている。 特に、RCW120として知られるSpitzer Bubble S7 の領域についてTorii et al. (2015)によって詳細なCO輝線観測が行われ、RCW120に付随する視線速度の異なる2つの分子雲が同定された。 Torii et al. (2015)は、2つの分子雲が重量的に束縛されていないことや膨張運動では説明できない速度構造をしていたことから、分子雲同士が過去に衝突してRCW120の大質量星を形成したというシナリオを提案している。 我々はさらにサンプルを増やすべく、Mopra望遠鏡とASTE望遠鏡を用いて視直径が6'以下のSpitzer Bubble のべ40天体について詳細なCO観測を行った。 本講演では、これまでに観測した結果のうち S116, S117, S118 の3つのSpitzer Bubbleが存在する複合バブル領域について紹介する。 本研究で、複合バブル領域に付随する分子雲を同定し物理量を見積もった。 それらの物理量や速度構造および空間構造を基に、数値シミュレーションとの比較を行いながら分子雲衝突による大質量星形成の可能性について議論を行う。 |
講演資料など |
2017/02/14
日時 / 場所 | 2017/02/14 (火), 16:00-17:00 / 輪講室 |
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講演者 | 山岸 光義 (ISAS/JAXA) |
タイトル | Infrared and radio observations of interactions between the ISM and UV around Galactic massive star-forming regions |
概要 |
大質量星形成活動に伴って放出される紫外線は、その周囲の星間物質の進化に大きな影響を及ぼす。 特にPDR領域は、紫外線によって分子の光解離・光電離反応が多数生じており、星間分子の生成・成長・破壊プロセスを理解する上で重要な領域である。 そのような領域において、観測的に星間分子と紫外線の相互作用を調べるプローブとしては、赤外線域では多環式芳香族炭化水素(PAH)、電波域ではCN/HCN比(HCNの光解離)、C18O/13CO比(COの選択的解離)などが用いられてきた。 しかし、これらのプローブが1つの分子雲スケールでどのように空間変化しているか、詳細に調べた研究は少ない。 本講演では、まずSpitzer/IRSのスペクトルマッピング機能を用いて、M17SW領域内におけるPAHの電離度および形状の空間変化を詳細に調べた結果を紹介する。 次に、昨年度の野辺山所内観測として行ったCygnus-Xサーベイの結果から、CNをメインに用いた成果を紹介する。 最後に、今シーズンの共同利用観測として進めているCygnus-Xフォローアップ観測の内容にも触れ、星間分子と紫外線の相互作用の理解に向けた道筋を紹介したい。 |
講演資料など |
2017/02/21
日時 / 場所 | 2017/02/21 (火), 14:00-15:00 / 輪講室 |
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講演者 | Arzoumanian Doris (Univ. of Nagoya)/ Shimajiri Yoshito (CEA/Saclay) |
タイトル | Characterizing interstellar filaments: Insights into the initial conditions for star formation (Arzoumanian)/ Universality of the relationship between the star formation rate and the mass of dense gas (Shimajiri) |
概要 |
[Arzoumanian] The highly filamentary structure of the interstellar medium is now impressively revealed by Herschel and Planck images tracing the Galactic cold dust emission. In particular, Herschel images, show that dense filaments observed in molecular clouds are associated with the main sites of star formation, demonstrating their key role in the star formation process. I will present the properties of the filamentary structures observed in the interstellar medium. These observational results put strong constraints on theoretical models for the formation and evolution of interstellar filaments. I will also discuss what we have learned about the initial conditions of the star formation process from the fragmentation of self-gravitating filaments. [Shimajiri] Essentially the same relation between star formation rate (SFR) and mass of dense gas above the threshold (Mdense) is found in nearby clouds [SFR/Mdense=4.6x10^-8] and external galaxies [SFR/Mdense=1.8x10^-8]. They, however, used the different dense gas tracers. To investigate the universal star formation law converting the dense molecular gas into stars, wide-field mapping observations in the same dense gas tracers are crucial. We carried out wide-field line mapping observations in dense gas tracer HCN with a spatial resolution of ∼0.04 pc toward the Aquila, Ophiuchus, and Orion B clouds using the IRAM 30m, MOPRA 22m, and Nobeyama 45m telescopes in the on-the-fly mode. We also estimated the mass of dense gas, Mdense, from the Herschel column density toward the area above Av=8 mag. As a result, we found that α(Herschel−HCN) conversion factor spans a wide range of values of 35–454. The obtainedα(Herschel−HCN) values are much larger than those found in the external galaxies and are strongly correlated with the local FUV field strength. Theα(Herschel−HCN) values decrease as the strength of the FUV radiation field increases, scaling as α(Herschel−HCN)-fit = 332.2xG(0,total)^-0.23. The SFRs from the number count of the Class II objects in the observed clouds is estimated to be (1.0–22.0)x10^-6 Msun/yr. We found that the relationship between SFR and Mdense in our observing clouds can be expressed as SFR/Mdense = (1.5–3.5)x10^-8. The SFR-Mdense relation in our study is consistent with that of Lada et al. (2010). We estimated the dense gas mass for the external galaxies using our relation. We concluded that the relationship between the star formation rate and the mass of the dense gas in the external galaxies is likely to be similar to that in the nearby star-forming region. Our result supports the views that the relationship between the star formation rate and the mass of the dense gas, i.e., the star formation efficiency in dense gas, is quasi-universal on the scale from >10 kpc to 1-10 pc. |
講演資料など |