電波天文観測実習

2019年度参加者のアンケート

「電波天文観測実習」は、天文学に関心をもつ大学生の皆さんに研究の最前線で活躍中の45m望遠鏡を使った観測実習を通して、電波天文学の実際にふれていただくのがねらいです。2019年度参加者へ実習後にアンケートに答えてもらいましたので、その結果をお知らせします。

(個人情報に関連した表現は、一部削除などを行っておりますが、ご了承願います。)

Q1. 実習は期待していた通りのものでしたか?

期待以上 10人  期待通り 0人  やや不満 0人  かなり不満 0人


Q2. 実際の内容(観測、データ解析、資料等)に関しての感想

観測計画を立てるところからデータを解析するところまで、研究で行う一連のプロセスを経験することができるとても充実した内容だった。特に自分がコマンドを送ることで45が動いた時は感動的だった。また、異なるバックグラウンドの学生達と関われたこともとても貴重な経験になり刺激をもらった。チューターさんが非常に熱心に支えてくれたため、経験だけでなく知識もつけることができた。わからないことがあるたびに根気強く教えてくれてありがとうございました。楽しかったです!!

今回の実習では、自分を含め参加者全員が観測、解析から発表まで経験することができる点がすばらしいと思いました。電波天文学に関してほとんど何も知らなかったのですが、チューターの方が根気強く指導してくださったおかげで、自分たちが行った研究のバックグラウンドや、観測手法、得られた結果についてわかるようになりました。5日間があっという間に感じるほどの濃密な時間を、楽しく過ごすことができました。

観測 …実際 にOTFでの観測にすると決めることから始まり、どの部分を観測するのかというところまで自分たちで決め、その後計画書作成をするところから始まりました。 大学の物理学実験においても、 観測するものは最初から決まっていっているものが多く、このように、何を観測するのか、および、どの手法で観測するのかを決めるのは初めての経験でしたのでよい勉強になりました。また、天体を観測するというということは個人的に初めての経験だったので、良い経験になりました。 また、45mの望遠鏡を実際に操作することもしました。 ポインティグから行い、装置の仕組みを細かく教えてくださったチューターの皆様に感謝しています。最終日の、装置見学の際には、コンピュータを通して操作していたことが、 実際望遠鏡の中で何が行われているのか説明していただき、仕組みがよりよく分かりました。
データ解析 …ノースタ ーを使用 して、ベースライン処理などの手法を学び、その後それを、CASAを用いて、モーメントマップ の作り方などを教わり、観測しました。このようなソフトウェアを使うのは初めてで、基礎の基礎から丁寧 に、チューターの竹村先生が分かりやすく教えて下さりました。パイソンや、コマンド(リナックス環境)が使えないと、実習は厳しいため、事前にそのことが告知されてい ると事前に予習できたかもしれません。( 私自身、これらを使うのが初めてで、使い方を取得するのに時間 がかかってしまいました。基礎だけでも事前に予習できていれば、もっとスムーズに解析ができて、考察などに時間が費やせたと思います。)
資料 …事前 に、資料 が配られていたため、良かったです。村瀬先生のパワ ーポイントが事前に配られていると、より理解が事前に深まると思いました。 事前資料に加え、竹川先生が実習中に印刷 してくださった資料 など、どれも分かりやすかったです。ありがとうございました。

観測~プレゼンテーションまでの実際の研究における全ての過程を一通り経験出来た。DS9/Nostar/Jnewstar/CASAなどの幅広い解析ソフトを利用し、ある程度自分が期待する考察が出来た。ads.nao.ac.jpを利用した論文の検索及び論文の読み方を体系的に学べた。これらの事は私がずっとやりたかった事だったので大変満足である。

初日、観測天体は決まっていたものの、どの方法で、どの部分を観測するのか、何を知りたいかによって決まるところから始められてとても楽しかったです。「~~を見たいからここをこう観測しよう」というのが、班員とした最初の議論だったのが、とても印象的でした。ボタンの操作だけですが、自分で45を動かせたのはとても感動的でした。データ解析では、チューターさんのおかげでなんとかプログラムを組むことができました。自分で観測したデータを目に見える形で出力できた時は、達成感があり、今後大いに役立つと思いました。事前の配布資料は、特に分子の反転遷移のあたりが初日の講義を受けるまでは難しくて、よく分からなかったです。

指導員の方々が何度も熱心に説明してくださったおかげで、約5日で相当量の知識をつけられたと思います。また実際に45m電波望遠鏡を使用する機会はなかなかないのでいい経験になりました。とにかく資料も含め全てにおいて説明を丁寧にしていただきありがたかったです。

どれも非常にわかりやすく全体の繋がりがはっきり見えたので満足しました。

観測〜データ解析まで、手助けがありながらも、一から自分たちの手でやったことで、電波天文観測の実際を知ることができました。資料については少々難易度が高いですが、実習については網羅してあるため読んでおけば準備には十分だと思います。

自分たちで観測領域を決めることから始まり、観測・解析を通してデータを取得し、考察やまとめをして、発表に終わる。この流れは大変でしたが、同時にとても楽しくできました。わからないこともチューターの方が懇切丁寧に導く形で 理解きるようしてくださっていたので、自分たちでやり切ったという感触が残っています。この実習に選出されたことも自信に繋がりましたが、この内容をやり切ったということが大きな自信になりました。

私の班は昼の観測と早朝の観測があり、どちらも解析とのスケジュールが良い感じにかみ合っていたので、「事前学習 --> 観測1 --> 解析・検討 --> 観測2 --> 解析まとめ」という風に一通りの研究手順というものを学ぶことができたと思います。


Q3. 実習の運営(時期、期間、費用、スケジュール等)に関しての感想

天候にも恵まれ2日とも観測が行えたので、スケジュール等に不満はなかった。5日間という短い時間だからこそ短期集中で観測から解析まで行えた。期間、スケジュールともにちょうどよかったと思う。

正直なところ、学校の授業期間とかぶっており、申し込むかどうかためらう部分がありました。(今は来てよかったと思っています。)日程の長さは体力的にちょうどよいのかなと思います。短期間だからこそ、これだけ効果的に学ぶことができた気がしています。費用の補助は大変ありがたかったです。欲を言えば、事前に費用の概算がわかっていると準備がしやすかったかなと思います。

時期 …大学の授業があったため、可能であれば休みの期間だとより良いと思います。 しかし、休んででも来る価値のある実習だったと思います。
期間 …ちょうど良かったように思います。
スケジュール …みっちりと、5日間教えていただけて充実していました。 思っていたよりも、忙しく、大変でした。( 朝から晩まで、チュータ ーさんにはお世話になりました。ありがとうございます。)
費用 …どれぐらい負担していただけるのか分からないですが、それに見合う価値のある実習でした。

実習期間の長さは完璧。 観測計画からプレゼンテーションまでを約3日間で行うというプログラムであったが、T先生とK先生の熱心なサポート、そして班のみんなで短期的に集中することで長期研究では到達する事の出来ないような成長が出来た。例えば、OnとOffの時間を適切に取る事が研究の進捗に大きく影響を与えるという事を実感した。

特に問題ありません。ちょうど良かったです。

時期:あと一週間早ければ大学の中間テストと被らなかったので、個人的には5月末の方が助かりました。しかし実習の前週の気温氷点下に比べると温暖だったことや、院試ガイダンスが週末にあって行きやすかったことなどはよかったです。
期間:今回の実習を振り返ると、もちろんもっと深められたところも多くあります。ですが研究の一連の流れを経験するという意味で(もしくは体力的に?)4日+1日という期間は適切だったと思います。また常に時間に追われていたおかげで集中し続けることでき、充実していました。
費用:遠方で、まさか全額出してもらえるとは思っていなかったのでとても助かりました。部屋も立派できれいな上に安くて素晴らしいです。
スケジュール:初日に観測場所を決めるまでの時間が短くてバタバタしたこともありますが、全体的に良かったと思います。

丁度良いと思います。

時期については、梅雨と若干かぶっていたからか天候の良くない日が多かったため、先生方の都合がつくのであればもう1−2週間早い方がいいと思います。期間はちょうど良い長さと思われます。費用について十分な支援があり、ありがたいです。

最初の早朝観測で , 詳しくは理解できていないのですが、機器が不調をきたして観測できなかった時は不安になりました。それ以外については特筆することありません。とても良かったです 。

最初参加資料が届いた時、スケジュールを見て意外と詰まってないのだなと感じましたが、実際には観測と観測の間は解析や議論の時間が詰まっていて濃密な4日間でした。この期間は短いなぁと感じる方もいるかもしれませんが、私はこの4日間(実働)で研究プロセスがさらえたのがすごいなぁと思うし、とても勉強になりました。体感時間はとても早かったですが、この4泊5日というスケジュールは良かったと私は思います。


Q4. 今回の企画は自分の将来を考える上で影響を与えたと思いますか?

影響を与えました。

はい、大きく影響をうけたと思います。宇宙に興味を持ちながらも、宇宙のどんな分野がやりたいのかわからなかったため、今回のように実際にその現場で経験を積むことはとても貴重です。今まではただ自分の知識不足を嘆くだけでしたが、それでも未知の分野に飛び込むことは大切なんだということを改めて実感しました。帰ってからも頑張ろうと思います。もし電波天文学の道に進んだそのときにはよろしくお願いします。

はい。 最先端の天文学者の方々、大学院生のチューターの方々と過ごし、憧れの気持ちを持ち、私も研究者になりたいと思いました。研究とはなにか、ということを知る機会になったような気がします。研究 、天文学の面白さを、教えていただくプログラムだったと思います。実習中に自分は、まだ電波天文学の知識が全然ないことも痛感しました。もっと勉強したいと、感じた五日間でもありました。 また同世代 の、高い志をもつ同じ分野に興味をもつ大学生と5日間過ごし、バックグラウンドの異なる学生との交流 も貴重でした。懇親会でのたわいのない話から、進路の話、 研究分野、 興味のあることなどを話せたことも貴重な時間でした。普段は出会えないような人々と出会うことで、自分の将来を考えさせられる五日間 でした。

思う。 海外にいる私に対して、色々な研究者の方が親切に国内外の天文学研究事情や大学院に関する情報を教えて下さった。今回のコミュニケーションで得られた貴重な情報を参考に大学院への準備を進めたいと思う。以前から調べていたオランダLeiden UniversityやドイツのHeidelberg/Bonnの電波天文学に関して研究者の方からも薦められたので、これらを含めた様々な機関の研究内容を吟味して、大学院を決めたいと思う。

とても思います。

思います。研究者の方々が楽しそうにしている姿に魅力を感じました。また電波天文学の面白さを知ったことをきっかけに、さらに他の波長についても知りたいと思うようになりました。出会った仲間から様々な情報ももらえ、明らかに自分の将来に影響を与えていると思います。

はい

今回の実習に参加したことで電波天文学の良い面も悪い面も知れたため、今後の進路を考える際には良くも悪くも考慮されると思います。

天文学以外でも様々な分野の研究に興味があった中で、今回の実習のように研究の体験ができたことは、具体的に将来を考えるうえで非常に大きな要因となりました。確として天文学に進もうと決めるこができました。

とても良い刺激となりました。電波天文学に触れる機会がなかったこともあり、初めて電波天文学という分野に触れ関心を持ったと同時に、同年代の同じ道を志す仲間に出会って、自分ももっと頑張って天文の道に進めるように努力しようと思います。


Q5. 実習前と後で天文台、電波天文学に対する印象は変わりましたか?

実習前は、天文学の中の一部ということしかわかりませんでしたが、実習を通して、他の天文学(可視光や赤外線など)とは異なった電波天文学の強みや凄さを学ぶことができた。

天文学を行う上で、やはり観測が占める重要性は大きいのだと感じました。また何かを論じるためにはデータに対する丁寧な議論が必要なデリケートな学問なのだと思いました。(ほかの学問でもある程度はそうなのかもしれませんが、対象が遠い天文学ではことさらな印象を受けました。)

はい。この45mの望遠鏡での観測データから、分子の分布やそこでの分子の動き等が分かることに非常に感動しました。恥ずかしながら、電波天文学についての知識が来る前にはほとんどなかったため、実習を通して大きく印象は変わりました。 また、天文台で研究されている方が、楽しそうに研究内容を話してくださりました。研究するためには、楽しむ、その気持ちが大切だと教わったような気がします。

変わった。 電波天文学者の仕事内容は以前からだいたい理解していたが、今回の実習で非常に驚いたポイントがある。それは、全ての天文台の研究者が各々の研究内容について、目を輝かせながら語っていた事だ。私はキャリアを選ぶ点において重要なポイントを「楽しむ事」と決めており、彼らの姿から、私が将来研究に没頭できている様子が想像できた。改めて、将来天文学の研究者になりたいと思った。

180度変わったということはありませんでしたが、研究というものがどういったものか、より具体的にイメージ出来るようになりました。

変わりました。一言で言えば、電波天文学は思っていたより楽しいです。それと同時に今の電波天文学及び科学界のおかれた状況や研究者たちの苦労も知りました。現場に行ったからこそわかることが沢山あり、机上の勉強からだけではこのような印象は受けなかったと思います。

はい

実習前は天文台、電波天文学について実際を知らず、おおまかな印象を持っていただけでしたから、印象が変わったというより、「印象が具体的になった」と感じます。

特に強い印象を持っていなかたので、深く考えていませんでした。しかし現在私が電波と可視光・赤外線の研究室各々の師から学んでいることや、弊学で可視光・赤外線天文学の観測実習があ ることから、今回の実習も一つの要素として電波天文学はもちろんのこと、他の観測天文学についても各々に深い印象を残していきたと考えています。

自分が想像したよりも、開かれたところなのだなと感じました。(色々な大学から実習や院生を受け入れている点)


Q6. 全体を通しての感想をお願いします。

チューターの方々をはじめ野辺山のスタッフの皆様、5日間本当にお世話になりました。多くの方々の支えの中で、とても充実した5日間を過ごすことができました。野辺山のこともそこで研究されている方々も大好きになりました。電波天文学に興味がある人には自信を持ってお勧めできる実習です。この実習の経験を生かし、将来電波天文学に貢献できたらと思います。ありがとうございました。

実習で得られたスキルはもちろんですが、いろいろな人と出会えたことが同じくらい良かったです。専攻はバラバラながら、互いに助け合いながらひとつのものを作り上げていった仲間は、これからも励みにしあえる存在だと思ってます。プログラムが来年も継続されるかわからないということでしたが、残していけたらどんなに素敵だろうと考えてしまいます。チューターをはじめとする運営側の皆さんには心から感謝しています。本当にありがとうございました。

立松先生、竹川先生、竹村先生には、 沢山の事を教えていただきました。ありがとうございました。 チームとして、研究するというという現場を少し体験できたような気がします。チームとして、観測計画から成果報告までを、タイムリミットの中でやる経験ができました。 五日間を終えて、楽しかったと思います。 しかしできなかった部分も多くあり、実習を通してたくさんの課題も見つかりました。 今回の実習をスタート地点 に、頑張りたいと思います。

観測実習構成・メンターからのサポート・交流の全てにおいて最高の経験が出来た。 特に、メンターからの指導のレベルに関しては今後の人生でも体験できないものであった。彼らから体系的に教えてもらった実際の研究プロセスで行う思考方法·プレゼンの構成方法などは、私の今後の研究生活での宝となると確信している。

初めて電波の世界に触れ、得られるものが沢山ありすぎて、本当に良い経験になりました。11人の実習生と出会えたことはもちろん、研究員やチューターさんとの交流が出来たことも大変嬉しく思います。短期間でここまで濃い実習生活を経験できてとても良かったです。

右も左もわからなかった状態から、今後の勉強の指針をある程度立てられるようにまでなれ、自分でも成長を実感することができました。  研究をしていく上で必要となる知識や研究者の生態を知れるだけでなく、同年代の仲間とも出会える貴重な機会を与えてくださった天文台の方々や総研大に感謝しています。  ただ実習最後の夜が曇(τ)っていて星がきれいに見られなかったことと、雨で望遠鏡のお皿から顔を出せなかったことが心残りでした。

全日程を通して密度が高く、とてもいい経験になったと思います。

とても濃い5日間でした。この実習の経験は私の人生の大きな糧になります。これまで電波天文で得られたマップを見たことはありましたが、どうやって作られているのか、なぜそうなるのかは知らず、今回生データから解析をしてマップを作るあげる間、ずっと気分が高揚していました。マップができたときの感動は、テイラー展開からオイラーの公式が導出されたのを初めて見たときのそれに匹敵します。これまで読めないけれど読んできた電波天文の専門書が、実習を経てどれだけ読めるようになったのか、楽しみです。ご指導くださった先生方や大学院生の方々、本当にありがとうございました。

はじめは自分に課した目標が大きく、上手くいかないことで焦燥感を感じていた憶えがあります。しかしそれよりも、プログラミングといった各小目標を達成できことや、最後にみんなでうまいシナリオに沿える考察ができたことの高揚感の方がとても強く印象に残っています。 この経験を糧に、これで足りなかったものを埋めるよう、これから頑張っていきたいです。ありがとうございました。

普段は天文や物理などほとんど学んでいない自分にとっては、最初何もわからないのに大丈夫なのだろうかと不安に思っていましたが、班の先生方が本当に手取り足取り基礎の知識から教えてくださって、最後は何とか形にすることができ、理解も深まりました。先生方を始め、TAさん方には大変お世話になりました。ありがとうございました。また、夜や休み時間の空き時間に、先生方やTAさん方のお話(キャリアや世間話)が聞けたのが大変嬉しく、また自分の進路の参考にしています。この5日間本当にかけがえのない経験となりました。夢に向かって頑張ります。ありがとうございました!!


Q7. どのようにして、この企画を知りましたか?

 国立天文台web 3人  SNS 2人  知り合いから 4人  その他(担任の教師から、雑誌) 2人

2019-07-04