国立天文台
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ALMA (アルマ)プロジェクト

アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(ALMA, アルマ、国立天文台ALMAのページへ)は日本・北アメリカ・ヨーロッパ・チリの諸国が協力して、南米チリ・アンデス山中の標高5000mのアタカマ砂漠に建設している大型電波望遠鏡です。ALMAは直径12mの高精度アンテナ64台と、日本が建設を担当している「ACAシステム」と呼ばれる高精度アンテナ16台、全部で80台のアンテナで構成されます。ALMAのアンテナで受信された非常に微弱な天体信号を干渉させることによって、レインボー干渉計の約70倍の感度[注]とハッブル宇宙望遠鏡の10倍に相当する解像力を実現します。電波の中でも波長が短く、いままでの望遠鏡では地球の分厚い大気の影響により観測が困難であった「ミリ波・サブミリ波」を使って、ビッグバン後間もない銀河の誕生や私たちの太陽系の起源のカギを握る太陽系外惑星系の誕生の謎を解き明かします。
[注] レインボー干渉計によるMIPS-J1428の観測と同様の観測条件の場合。観測時間としては約5000分の1に短縮。
図4-1:図は南米チリ・アンデス山中の標高5000mのアタカマ砂漠に建設されるALMAの完成予想図です。ALMAは直径12mの高精度アンテナ64台と、日本が建設を担当している「ACAシステム」と呼ばれる高精度アンテナ16台、全部で80台のアンテナで構成される大型電波望遠鏡です。図はヨーロッパ南天天文台 (ESO)のウェブサイトより引用。
ALMAでひも解く宇宙の歴史書

我々は世界屈指の集光力をもつレインボー干渉計をもってしてもMIPS-J1428からやってくる非常に微弱な電波を検出するのに6時間かかりました。しかし、ALMA (アルマ)望遠鏡を使えば同じような天体をわずか5秒で観測できるようになります。ALMA望遠鏡が完成する2012年以降にはMIPS-J1428のような分子ガスと塵をまとった若い銀河が何千個とみつかり、毎日のように大発見が続くはずです。太古の宇宙にしか存在し得ない特異な銀河をよりたくさん観測・研究することによって、天文学の中でも特に難しいとされる銀河の形成過程、そしてその後の進化についての理解が深まることは間違いありません。宇宙の創成と進化、そして私たちがが暮らすこの天の川銀河のようなごく身近な銀河の生い立ちまでもが克明に記された宇宙の歴史書がひも解かれる日はそう遠くないかもしれません。
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